記事一覧

戦争と特攻隊と本居宣長

本居宣長(もとおりのりなが)の『紫文要領(しぶんようりょう)』を通して、『源氏物語』をより深く読み感じ取ろうとしています。引用文の出典は、『紫文要領(しぶんようりょう)』(子安宣邦 校注、岩波文庫、2010年)です。章立ての「大意の事」と「歌人の此の物語を見る心ばへの事」から任意に引用(カッコ内は引用箇所の文庫本掲載頁)しています。 5回目の今回は、この著書での宣長自身の言葉を、日中戦争、太平洋戦争時...

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心は女童のごとく。本居宣長

本居宣長(もとおりのりなが)の『紫文要領(しぶんようりょう)』を通して、『源氏物語』をより深く読み感じ取ろうとしています。引用文の出典は、『紫文要領(しぶんようりょう)』(子安宣邦 校注、岩波文庫、2010年)です。章立ての「大意の事」と「歌人の此の物語を見る心ばへの事」から任意に引用(カッコ内は引用箇所の文庫本掲載頁)しています。 4回目の今回は、「人の実の心」を宣長が『源氏物語』を通してどのように...

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新しい詩「生まれた日から」をHP公開しました

 ホームページの「虹・新しい詩」に、新しい詩「生まれた日から」を公開しました。 新しい詩作品『詩と思想』2011年4月号に発表した作品です。お読みいただけると嬉しく思います。...

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ポーの詩「アナベル・リー」

 ブログ「詩を想う」の「恋と物のあはれ」で、恋の歌について記しました。 その際、本居宣長の叙述と共鳴している萩原朔太郎の『詩の原理』を再び取り上げました。その著書にある朔太郎の言葉、「詩の中での純詩と言うべきものは、ポオの名言したる如く抒情詩の外にない。」「実に抒情詩というべきものは恋愛詩の外になし。」が私は好きです。ポーの詩論もいつか取り上げるつもりです。 この「愛(かな)しい詩歌」は時代も大陸...

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恋と物のあはれ

 本居宣長(もとおりのりなが)の『紫文要領(しぶんようりょう)』を通して、『源氏物語』をより深く読み感じ取ろうとしています。引用文の出典は、『紫文要領(しぶんようりょう)』(子安宣邦 校注、岩波文庫、2010年)です。章立ての「大意の事」と「歌人の此の物語を見る心ばへの事」から任意に引用(カッコ内は引用箇所の文庫本掲載頁)しています。 3回目の今回は、「恋と物のあはれ」について、宣長がどのようにとらえ...

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哀れと愛(かな)しの詩

 本居宣長(もとおりのりなが)の『紫文要領(しぶんようりょう)』を通して、『源氏物語』をより深く読み感じ取ろうとしています。引用文の出典は、『紫文要領(しぶんようりょう)』(子安宣邦 校注、岩波文庫、2010年)です。章立ての「大意の事」と「歌人の此の物語を見る心ばへの事」から任意に引用(カッコ内は引用箇所の文庫本掲載頁)しています。 2回目の今回は、「哀れ」という言葉を宣長がどのようにとらえていたか...

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本居宣長と源氏物語

 本居宣長(もとおりのりなが)の『紫文要領(しぶんようりょう)』を通して、『源氏物語』をより深く読み感じ取りたいと思います。引用文の出典は、『紫文要領(しぶんようりょう)』(子安宣邦 校注、岩波文庫、2010年)です。章立ての「大意の事」と「歌人の此の物語を見る心ばへの事」から任意に引用(カッコ内は引用箇所の文庫本掲載頁)しています。 今回は、物語は物の哀れをしらする、とする宣長の言葉に感じ思うことを...

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『源氏物語』物のあはれ

 ひとりの詩人として私なりの感性で、『源氏物語』を「蛍」の巻の物語論を通して、読み取り感じ取ろうとしました。 汲み尽くせないほど豊かなこの物語を、本居宣長(もとおりのりなが)は二百数十年前にこよなく愛しその本質に迫りました。彼の著述を通して、さらにこの美しい絵巻についての思いを深めたいと思います。 彼は67歳で『源氏物語玉の小櫛(げんじものがたりたまのおぐし)』としてこの物語論を集大成しまとめました。...

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花の詩、詩の花

 私は二十歳で文学に生きようと思った頃、草花、草木の名前 を、あまりに知らないと感じて、図鑑で花や木の名を覚えようとしたことがあります。でも手で触れたことのない、風と光に揺らめく色を、摘みとるときの香りを感じとったことのない花や木の名には、その文字数の音と文字の形しかなくて、思いと心に沁み込んでいないから、詩となって芽吹いてはくれないんだと知りました。 私のこころの土から顔を出し芽吹いて詩に咲いて...

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『源氏物語』に咲いてる花

 『源氏物語』に私が惹かれるのは、匂やかな女性たちの息づかいがたゆたっているからですが、その世界に咲いている草花や草木に触れられその呼気に包まれ癒される思いになるのも、繰り返しその森を訪れたくなる理由のひとつだと感じています。 紫式部の原文の語り口には、眺めやるまなざしの掌と指で、草花や草木を愛で撫でているうごきを感じます。草花や草木がとても好きと、紫式部の声が響いています。 物語に息づく花と女性...

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山村暮鳥、いちめんのなのはな

 詩歌は花です。花は女性のようです。詩歌を愛する心は、花をいとおしみ、女性を愛する心です。この「愛(かな)しい詩歌」は、「愛しい花」、「愛しい女性(ひと)」でもあります。 「詩を想う」にも花と詩歌について記しますので、今回は私がとても好きな花の詩を咲かせます。 山村暮鳥は強い個性をもった、キリスト教聖職者である詩人として生きました。彼については、聖職者詩人の森田進さん、暮鳥とおなじ教会信者の詩人中...

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源実朝の祈りの歌

 「詩を想う」で願いと祈りと文学について『源氏物語』を通して考えました。願いと祈りの詩歌は、古代詩歌発生の時から絶えることなく受け継がれています。 好きな悲しみのうたのうち、(鎌倉時代初期の変動期に若くして殺された)源実朝の二首を、「愛しい詩歌」に咲かせます。今、私が感じる思いと変わらないと、心うたれます。  出典(通釈、語釈)は、水垣久HP「やまとうた」の千人万首(よよのうたびと)です。 http://www...

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願いと祈りと文学

  東日本大震災の被災者の方たちへの支援が懸命に続けられています。安否不明の方、救出を待つ方、亡くなった方、負傷された方、避難生活の方の、悲痛な声に心が痛み、離れた場所で悲しみ、これ以上いのちが失われないことを願い、祈っています。  何とかしてあげたい、少しでも何かできないか、そう思いながら生活の制約からできずにいます。わたしはその大きな思いのなかの一人だと思います。  消防、警察、自治体、救助者...

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紫式部『源氏物語』の物語論(四)

◎物語の誇張と方便 紫式部は、物語には「誇張」が本質的に必要なものだと意識して創作したことが次の言葉からわかります。「不自然な誇張がしてあると思いながらつり込まれてしまうこともある」「よいことを言おうとすればあくまで誇張してよいことずくめのことを書くし、また一方を引き立てるためには一方のことを極端に悪いことずくめに書く。全然架空のことではなくて、人間のだれにもある美点と欠点が盛られてい るものが小説...

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紫式部『源氏物語』の物語論(三)

◎物語と本当の歴史 紫式部の次の言葉には、彼女の物語の創作者としての誇りを感じます。物語だからこそできること、物語でなければできないことを、彼女が深く理解し創作したことが伝わってきます。「神代以来この世であったことが、日本紀(にほんぎ)などはその一部分に過ぎなくて、小説のほうに正確な歴史が残っている」「だれの伝記とあらわに言ってなくても、善いこと、悪いことを目撃した人が、見ても見飽かぬ美しいことや...

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紫式部『源氏物語』の物語論(二)

◎物語の虚構性と真実 紫式部は、物語の虚構性と言葉の真実性の関係について、深く理解していたと、私は次の言葉に感じました。 以下紫文字は、与謝野晶子訳『源氏物語』「蛍」の巻の該当箇所の原文引用です。「ほんとうの語られているところは少ししかないのだろうが、それを承知で夢中になって作中へ同化させられる」「嘘ごとの中にほんとうのことらしく書かれてあるところを見ては、小説であると知りながら興奮をさせられます...

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紫式部『源氏物語』の物語論(一)

◎『源氏物語』に思う 紫式部は『伊勢物語』の清流をうけ、『源氏物語』という豊かな川、文学の海に注ぎ込み輝き続ける大河を生み出しました。正直に告白しますと、私が『源氏物語』全巻を通読できたのは今回が初めてです。与謝野晶子の全訳で読みました。これまで10代、20代の時から「文学が好きなら読み切らないと恥ずかしい、読み切りたい」と思いつつ、有名な巻のつまみ食いと、前半まででの中断挫折で終わっていました。 今...

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伊勢物語 歌物語

 日本の古典で何が好き、ともし聞かれたら、私がまずあげるのは『万葉集』です。次になると『伊勢物語』かな、と思います。『古今和歌集』から『新古今和歌集』へと揺らめき流れる歌の清流に浮かび沈みひかる紅葉の舟といったイメージをもっています。 『伊勢物語』を深く読みこんできたわけではないけれど、恋愛がテーマで、短編集で、歌物語だからでしょうか、とても親しみを感じます。この小さな物語集が、紫式部から謡曲や堀...

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プロフィール

高畑耕治

Author:高畑耕治
Profile:たかばたけ こうじ
1963年生まれ大阪・四條畷出身 早大中退 東京・多摩在住

詩集
「銀河、ふりしきる」
2016年イーフェニックス
「こころうた こころ絵ほん」2012年同上
「さようなら」1995年土曜美術社出版販売・21世紀詩人叢書25
「愛のうたの絵ほん」1994年同上
「愛(かな)」1993年同上
「海にゆれる」1991年土曜美術社
「死と生の交わり」1988年批評社

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