記事一覧

ヘルダーリン、愛の詩

 ヘルダーリンの詩から、わたしが心から好きな愛の祈りの詩を咲かせます。手塚富雄の日本語の響きが美しい訳です。 私は読む度に心ふるえ、詩は感動だ、詩を読むよろこびは自然にうちから感動がわきあがる思いをしることだと、教えられます。同時に、私もいい詩を書きたいという願いが込みあげてくる大切な詩です。  ディオティーマひさしいあいだ枯れしぼんで閉ざされていたわたしの心は いま美しい世界に挨拶する。その枝々...

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ヘルダーリンの愛の祈り

 フランスの詩の象徴詩派、言葉の音象を奏でる詩人たちとその詩をみつめてきました。萩原朔太郎は新古今和歌集と詩想が通いあうと述べていますが、私もそう感じます。美しい詩世界です。 私が最も深く影響され敬愛する日本の詩人は、原民喜(たみき)です。(原民喜『鎮魂歌』)。 世界の小説家ならドストエフスキー、そして世界の詩人ではヘルダーリン、ドイツの愛と祈りの詩人です。彼の短い紹介を出典から引用します。●引用 フ...

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ボードレールの散文詩。フランス詩歌の翻訳(二)

 好きなフランスの詩をみつめながら、詩歌の翻訳について考えています。前回は最も「歌」に近いヴェルレーヌの詩歌を聴きとりました。今回は、詩歌の海のより大きな広がりを眺めての想いを記します。 まず、おなじヴェルレーヌの詩歌の日本語訳でありながら詩歌らしい響きを感じる作品、主題と主調はまさしくヴェルレーヌともいえる「憂鬱」です。 なぜ詩歌の響きが感じられるのか? 前回、日本語の脚韻について、「秋の日の(no...

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ヴェルレーヌの歌。フランス詩歌の翻訳(一)

 フランスの好きな詩を感じとりつつ、詩の翻訳についてもう少し考えます。 今回は、上田敏訳『海潮音』で紹介されてからヴェルレーヌの詩歌のうち日本で最も親しまれてきた「秋の歌」です。原題に、Chansonとあることからも、作者自身の心からの「歌」だとわかります。詩の構成をみつめてみると、① 3連の各連とも、6行で同じ。② 3連の各連とも、同じ規則的な脚韻を踏んでいる。* 1行目と2行目、3行目と6行目、4行目と5行目、全...

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La mer 海、フランスの好きな詩

 フランス語のR音の哀しい響きについて記した前回を受けて、私が好きなフランスの詩を咲かせます。 R音の、「ru」より「fu」に近い、吹き出される息だけのかすれた響き、の美しさをもっとも素朴に響かせてくれるのは、私にとってはLa mer「海」です。脚韻での響きあいは、海の波のゆらめき、限りないその果ては永遠です。 この3篇の詩に通いあうものは海、今ここにないものを求めずにはいられない思いです。詩のいのちが生れて...

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フランス詩の哀しいR音

 ここのところ500年くらいの時をさかのぼり歌心の交わりをしていましたが、すこしより近い時代に戻って、このまるい星のうえで海を越えた大陸の歌心との交わりをエッセイに記します。 二十歳前の文学を志しもがいていた頃、私は中原中也のまねをして東京御茶ノ水のアテネフランセというフランス語学校に通いフランス詩を学んだことがありました。象徴派の詩人たち、ランボーやヴェルレーヌの詩、マラルメやヴァレリーの詩と詩論...

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「隆達節小歌」、歌謡の運命

 室町小歌の豊かな歌謡の世界を『閑吟集』『宗安小歌集』をとおして聴きとってきました。その流れを受けて生まれた隆達節歌謡を今回はみつめ感じとります。  隆達節歌謡は「洒落た音曲」だと私は感じます。総説に書かれている通り、「海外へ開かれた商港であり、人口数万を擁し、町家と呼ばれる富裕な商人の活躍した経済都市」である堺の空気に響いた、「技巧的で軽みを帯びた洒脱な」歌、十六世紀のころの町衆文化に咲いた花で...

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室町小歌(四)一期は夢よ、ただ狂へ

 室町時代の小歌《こうた》集『閑吟集《かんぎんしゅう》』と『宗安小歌集《そうあんこうたしゅう》』を聴きとってきました。出典は、『新潮日本古典集成 閑吟集 宗安小歌集』の北川忠彦による訳文と解説「室町小歌の世界―俗と雅の交錯」です。 最終の今回は、出典の「うき世賛歌」の章に描き出された、室町小歌を生みだした時代・世相と歌い踊った人たちの心をみつめ考えます。 『閑吟集』で最も有名なよく引用される小歌は...

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『閑吟集』『宗安小歌集』の好きな歌

 室町時代の歌謡の主流だった小歌《こうた》集の『閑吟集《かんぎんしゅう》』と『宗安小歌集《そうあんこうたしゅう》』を聴きとっています。室町小歌の心の表現の新しさについて前回次のように考えました。  ① 庶民の日常の生活での会話、肉声が聞こえ、顔の表情が見えること。(語りかけの語尾の・・・・なう、など)。  ② 和歌に欠けがちだったユーモア、滑稽感、卑俗さといった感情が吐き出された歌があること  ③ それ...

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室町小歌(三)庶民の心と伝統

 室町時代の歌謡の主流だった小歌《こうた》集の『閑吟集《かんぎんしゅう》』と『宗安小歌集《そうあんこうたしゅう》』を聴きとっています。出典は、『新潮日本古典集成 閑吟集 宗安小歌集』の北川忠彦による訳文と解説「室町小歌の世界―俗と雅の交錯」です。出典の言葉と小歌そのものに私が感じとり考えたことを記していきます。 出典著者の北川忠彦がこの室町小歌の解説の標題を「俗と雅の交錯」としたことからもわかるよ...

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権威が、学歴が、賞が、現代詩が、嫌いだから、詩歌が好き。

 私は権威が嫌いです。権力者も嫌い。 政治も会社組織も、生き延びるために、他者を蹴落とし、権威、権力、報酬の獲得に、血眼になり、それが生き物の姿、特に男性の本来の姿とするのが、一般的常識だとしても、そういった考え方が嫌いです。 私は高卒です。早稲田政経学部政治学科中退ですが、やめるために一番嫌いな学科に入学しました。だから社会的な学歴は高卒です。 行きたくても行けない人に対して恥じ、両親の心痛めた...

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『閑吟集』の好きな歌

 室町時代の歌謡の主流だった小歌《こうた》集の『閑吟集《かんぎんしゅう》』と『宗安小歌集《そうあんこうたしゅう》』を聴きとっています。室町小歌の心の表現の新しさについて前回次のように考えました。  ① 庶民の日常の生活での会話、肉声が聞こえ、顔の表情が見えること。(語りかけの語尾の・・・・なう、など)。  ② 和歌に欠けがちだったユーモア、滑稽感、卑俗さといった感情が吐き出された歌があること  ③ それ...

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室町小歌(二)通俗語の短詩の魅力

 前回に続き、室町時代の歌謡の主流だった小歌《こうた》集の『閑吟集《かんぎんしゅう》』と『宗安小歌集《そうあんこうたしゅう》』を聴きとっていきます。出典は、『新潮日本古典集成 閑吟集 宗安小歌集』の北川忠彦による訳文と解説「室町小歌の世界―俗と雅の交錯」です。出典の言葉と小歌そのものに私が感じとり考えることができたことを記していきます。 出典の著者は、室町小歌が歌われていた「旋律を正確に知るという...

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室町小歌(一)閑吟集と宗安小歌集

 詩歌の豊かな流れに交わりあう歌謡を、古代から平安時代末の『梁塵秘抄《りょうじんひしょう》』まで聴きとってきました。続く時代に支流として生まれ本流に注ぎこみ、そのゆらめきをゆたかにしてきた歌謡を、今回から取りあげます。 最初は数回にわたり、室町時代の歌謡の主流だった小歌《こうた》集の『閑吟集《かんぎんしゅう》』と『宗安小歌集《そうあんこうたしゅう》』を聴きとっていきます。出典は、『新潮日本古典集成...

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新しい詩「なみだ」を公開しました

 ホームページ『愛のうたの絵ほん』の「虹・新しい詩」に、新しい詩「なみだ」を公開しました。  詩「なみだ」お読みいただけると、とても嬉しく思います。...

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プロフィール

高畑耕治

Author:高畑耕治
Profile:たかばたけ こうじ
1963年生まれ大阪・四條畷出身 早大中退 東京・多摩在住

詩集
「銀河、ふりしきる」
2016年イーフェニックス
「こころうた こころ絵ほん」2012年同上
「さようなら」1995年土曜美術社出版販売・21世紀詩人叢書25
「愛のうたの絵ほん」1994年同上
「愛(かな)」1993年同上
「海にゆれる」1991年土曜美術社
「死と生の交わり」1988年批評社

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