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ノヴァーリスの詩想(二)。詩人は歌。

 ドイツ・ロマン派の詩人ノヴァーリスの詩想をみつめています。 彼の言葉を出典から断章ごとに「カッコ」内に引用(赤紫文字は強調のため私がつけました)し、続けて私の心に呼び覚まされた詩想を☆印の後に赤紫文字で記します。  2.「断章と研究1799-1800年」から。 「長編小説(ロマーン)は、徹頭徹尾ポエジーでなければならない。すなわちポエジーとは、哲学とおなじく、われわれの心情を美しく調律したものであり、そこで...

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ノヴァーリスの詩想(一)。魂の音響的本性。

 ドイツ・ロマン派の詩人ノヴァーリスの「夜の讃歌」に前回は心を研ぎ澄ませました。彼の詩想を二回に分けてみつめます。 彼の言葉を読んでいると私は、北村透谷(「空(くう)の空の空を撃つ。北村透谷」)の熱意に満ちた言葉を思い起こし、二人に響き合うものを感じます。 完成された論述でも体系だった論文でもない草稿と断章であることと、厳密な概念を翻訳では推し量れないことから、私にはよく理解できない部分も含まれま...

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ノヴァーリスとフリードリヒ。ドイツ・ロマン派

 ドイツ・ロマン派の詩人ノヴァーリスの「夜の讃歌」をここに咲かせます。 彼の言葉にはロマン派の真髄ともいうべき漲る心情が波うっていて、引き込まれ飲み込まれそうになります。二十代の私はこの波に溺れかけました。 その頃ノヴァーリスの詩とともに、絵画でのドイツ・ロマン派の中心人物フリードリヒの世界にも強く惹かれ画集を見つめていました。(彼の絵は次のサイトなどで御覧になれます。「バーチャル美術館」)。 芸...

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俗語詩論(三)大阪弁の私の詩

 私は日本語のなかの標準語で詩を書きながら、地方語、方言、生まれ育ちながら身に染み付けた言葉への愛着を抱き続けています。 私の故郷、大阪の北河内・四条畷の河内弁の詩を花束にしてここに咲かせます。 私にとって心がほっとする言葉です。同時に近いがゆえの強い愛憎を感じます。育んでくれた言葉をこのこころとからだと一体のものとして感じつつ生きていくのだと思います。 詩「好きやねん」        (詩集『愛...

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ダンテ『俗語詩論』(二)詩人の誇りと試み

 前回に続き、イタリア・ルネサンスの先駆けとして生きたダンテの『俗語詩論』をみつめます。 今回はイタリアの高貴な俗詩についての鋭く詳細な論述を感じとり考えます。 第2巻での詩論でダンテは、高貴な俗語詩の望ましい姿、その形式を、一点一点こまかく確認していきます。 その項目は次のようなものです。 一行のなかの音節数。音節の強弱。行と行の関係と組み合せのスタイル。語い。歌われること。脚韻、など。 そのな...

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ダンテ『俗語詩論』(一)悲劇的文体

 数回にわたり1800年代に生きたエドガー・アラン・ポオと、スティファヌ・マラルメの詩論を見つめました。 今回と次回は五百数十年ほど時を遡り、イタリア・ルネサンスの先駆けとして生きたダンテの『俗語詩論』の頁をめくります。数百年の時間は芸術、魂の本質的な響き合いの妨げにはなりません。 今回はこの詩論の全体像を、次回は詩についての鋭い論述を中心に、感じとり考えます。ポオが詩論で「この世で最も詩的な主題」と...

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マラルメの詩論(二)美しい姿がおぼろげに。

 フランスの詩人・ステファヌ・マラルメの詩論を前回に続けてみつめます。(3番目の主題からになります。)3.花の観念 純粋な著作の中では語り手としての詩人は消え失せて、語に主導権を渡さなければならない。語は、一つ一つちがっているためにその間に衝突を生じ、語と語はたがいの反映によって輝き出す。それが従来の抒情的息吹き、個人の息づかいや、文章をひきずる作者の熱意などにとってかわる。 文芸の魔法とは、物の...

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マラルメの詩論(一)語の音色。

 ポオの詩論に続いて、彼に強い影響を受けたフランスの詩人・ステファヌ・マラルメの詩論をみつめます。彼の詩「海の微風」は別のエッセイで咲かせています。(La mer 海、フランスの好きな詩)。 出典のマラルメの言葉を、5つのテーマに要約したあと、彼の言葉に木霊する私の詩想を☆印のあとに記していきます。   1.言語の音楽・自由詩(マラルメ詩論の要約) 「音楽」が、この宇宙の万物の相関関係を全部あらわすという...

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ポオの詩論(二)『ユリイカ』。星を求める蛾の願い。

 エドガー・アラン・ポオの二つの詩論「構成の原理」と「詩の原理」から彼の詩想を感じとり見つめています。二つの詩論は体系的な学術論文ではなく、芸術家の彼は、「構成の原理」では彼自身の詩「鴉」を、「詩の原理」では彼が感動した詩人たちの英語詩を、読み感じとりながら、詩についての考えを述べています。ポオは詩論の中心にある確固とした信条を繰り返し述べています。 今回は、詩とは何か、そして詩の主題についての彼...

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ポオの詩論(一)。美の韻律的創造。

 萩原朔太郎の『詩の原理』についてのエッセイで数回、エドガー・アラン・ポオの詩論について触れました。また彼の作品のうち私が一番好きな詩「アナベル・リー」を「愛(かな)しい詩歌」に咲かせました。(ポーの詩「アナベル・リー」)。 今回と次回は、彼の二つの詩論「構成の原理」と「詩の原理」から彼の詩想を感じとります。二つの詩論は体系的な論文ではなく、芸術家である彼は、「構成の原理」では彼自身の詩「鴉」を、...

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『メリーの小詩集』

 今回は「メリーのブログ」で詩を発表されている田村よしみさんの作品を紹介します。田村さんは自称はしないけれど詩人だと私は思います。その名に値するのは、今心をこめて詩を書いている人、書こうとしている人です。(過去に書いた実績があってもその気持ちを失ってたなら今詩人じゃないし、詩の団体に所属しているかどうかなんて関係ありません。) 彼女の書かずにはいられない思いからあふれでた、心に響いてくる、心打たれ...

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ツェランの詩。ザックスの詩。

 ドイツ詩の韻律に耳をすませた前回、詩人の吉川千穂さんが論文に引用されていた詩、パウル・ツェランの「死のフーガ」と、吉川さんが研究されていたネリー・ザックスの詩を、ここに咲かせます。 ふたりの詩人とその詩を結ぶものに、第二次世界大戦時のナチスによる強制収容所があります。著者紹介を出典から引用しました。 ツェランの詩は語法も比喩も翻訳で感じとるには難解だと私は感じますが、この詩からは波状に繰り返し叫...

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ドイツの定型詩と自由韻律。詩人・吉川千穂さんの論文。

 ヘルダーリンの好きな詩について書きましたが、私はドイツ語を勉強しなかったので、原詩の韻律には無知でした。詩人の川中子義勝さんにドイツ定型詩についてお話を伺う機会に恵まれ「一行のなかでの強弱の決まりごとが、行と行の脚韻とは別にある」と教えていただきました。 私は昔フランス詩をかじったときに、脚韻の美しさは感じても、行内の韻律はあまり感じとれず、ほとんど忘れていたことに気づきました。「強弱の韻律」に...

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プロフィール

高畑耕治

Author:高畑耕治
Profile:たかばたけ こうじ
1963年生まれ大阪・四條畷出身 早大中退 東京・多摩在住

詩集
「銀河、ふりしきる」
2016年イーフェニックス
「こころうた こころ絵ほん」2012年同上
「さようなら」1995年土曜美術社出版販売・21世紀詩人叢書25
「愛のうたの絵ほん」1994年同上
「愛(かな)」1993年同上
「海にゆれる」1991年土曜美術社
「死と生の交わり」1988年批評社

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