記事一覧

新体詩をめぐる詩想

 今回は、新体詩、近代詩についての雑感です。『日本の詩歌2 土井晩翠、薄田泣菫、蒲原有明、三木露風』(1976年、中公文庫)を通読しましたが、正直なところ苦しい読書、勉強でした。感動した詩、とても好きな詩を見つけたら、そっと摘んで言葉を添えて咲かせようと思っていたのですが。今できること、読みながら、想い、考えたことを記録しようと思います。 この四人の詩に、素直に共感できなかった一番の理由は、文語で書か...

続きを読む

大関松三郎の詩「虫けら」と、子どもの瞳

 前回に続き、『愛の詩歌集』(山本太郎編著、1960年、社会思想社 現代教養文庫284)所収の明治時代、近代詩以降の詩を読んで感じたことを記します。 今回この期間の収録詩を読み返して、私の心にもっとも強く響いたのは、前回紹介した詩人・会田綱雄の詩「伝説」と、大関松三郎の詩「虫けら」でした。 この本に記されている略歴によると大関松三郎(おおぜき・まつさぶろう)は、1933年(昭和8年)新潟県古志郡黒条村の小学校...

続きを読む

会田綱雄の詩「伝説」と、ねがい

 近代から現代の日本語の詩の本を少しずつ読み返しています。 『愛の詩歌集』(山本太郎編著、1960年、社会思想社 現代教養文庫284)は若いとき古本屋で見つけた文庫本ですが、近視眼的ではなく、古代の記紀歌謡、万葉集、勅撰集から歌謡などまで豊かに盛り込まれて、どちらかというとそちらが好きで時折読み返していました。 この本に収録された明治時代、近代詩以降の詩を読んで感じたことを、今回と次回に記します。 ひと...

続きを読む

『脱原発・自然エネルギー218人詩集』に参加しています

 『脱原発・自然エネルギー218人詩集』が、コールサック社から発売されました。 日本語詩と英語詩を合本にし、世界へ発信しようとする強い意思と願いが込められた詩集です。 私も参加しています。 ひとりの読者としても、感じとり、考えたいと思っています。   『脱原発・自然エネルギー218人詩集』(日本語・英語_合体版) ☆ お知らせ ☆『詩集 こころうた こころ絵ほん』を2012年3月11日、イーフェニックスから発売...

続きを読む

新しい詩「いま、ここで」をHP公開しました

 私の詩のホームページ「愛のうたの絵ほん」に、新しい詩「いま、ここで」を、公開しました (クリックでお読み頂けます)。   詩「いま、ここで」 お読みくださると、とても嬉しく思います。 ☆ お知らせ ☆『詩集 こころうた こころ絵ほん』を2012年3月11日、イーフェニックスから発売しました。A5判並製192頁、定価2100円(消費税込)です。 イメージング動画(詩・高畑耕治、絵・渡邉裕美、装丁・池乃大、企画制作イーフ...

続きを読む

新しい詩「短い、いのち、うた」をHP公開しました

 私の詩のホームページ「愛のうたの絵ほん」に、新しい詩「短い、いのち、うた」を、公開しました (クリックでお読み頂けます)。   詩「短い、いのち、うた」 お読みくださると、とても嬉しく思います。 ☆ お知らせ ☆『詩集 こころうた こころ絵ほん』を2012年3月11日、イーフェニックスから発売しました。A5判並製192頁、定価2100円(消費税込)です。 イメージング動画(詩・高畑耕治、絵・渡邉裕美、装丁・池乃大、企...

続きを読む

人間味のにじむ作品。『訳詩集(二)』

 『日本の詩歌28 訳詩集』(解説・鑑賞は河盛好蔵、安藤一郎、生野幸吉。1969年、中央公論社)を読み、西欧詩の翻訳と、明治以降の日本の新体詩、文語定型詩、口語自由詩のかかわりについて考えています。  著名な翻訳詩やとても良い詩がいちめんに咲き乱れている野原を散策できたので、心に焼きついた詩を少しだけ紹介します。 まず、堀口大学訳詩集『海軟風] (1954年昭和29年)の収録作品から、アリエット・オドラ(1897‐19...

続きを読む

新体詩と翻訳詩。『訳詩集(一)』

 『日本の詩歌28 訳詩集』(解説・鑑賞は河盛好蔵、安藤一郎、生野幸吉。1969年、中央公論社)を読み、西欧詩の翻訳と、明治以降の日本の新体詩、文語定型詩、口語自由詩のかかわりについて考えています。 新体詩は1882年(明治15年)の「新体詩抄』を発端とするとされていますが、その前後にだされたキリスト教の讃美歌や、1889年(明治22年)の新声社同人(森鴎外他訳)『於母影(おもかげ)』の翻訳詩の響きと情感の清新さに...

続きを読む

詩は花。門田照子『ローランサンの橋』

 詩人の門田照子さんが、とても心に響くエッセイ集『ローランサンの橋』を6月にコールサック社から出版されました。 幼年時代から現在まで生きていらした歩みを、その時々の心で、目線の高さで、細やかに綴っていらっしゃいます。少女時代の福岡大空襲の体験も、その時の少女のままの心で語られていらっしゃって、心打たれました。 私の両親と同じ世代の方ですので、父や母が生きてきた時、今と、どうしようもなく重なり、ああ...

続きを読む

こだまを見つけた。田川紀久雄詩集『いのちとの対話』(二)。

 詩人の田川紀久雄さんが新しい詩集『いのちとの対話』(2012年8月、漉林書房、本体2000円)を出版されました。この詩集に呼び起こされた私の詩想を前回記しました。 今回は、詩人の肉声そのものを聴き取りたいと願います。 すべての本の読み方は読者にゆだねられています。 私にとってこの本は、一篇一篇の詩作品が24篇束ねられた詩集として読書するより、24の詩想の流れ、アフォリズム、想念の24の変奏曲として心で聴きとり...

続きを読む

笑顔で流す涙。田川紀久雄詩集『いのちとの対話』(一)。

 詩人の田川紀久雄さんが新しい詩集『いのちとの対話』(2012年8月、漉林書房、本体2000円)を出版されました。この詩集に呼び起こされた私の詩想を記します。 詩集の表紙は画家でもある田川さんご自身の絵で飾られています。優しい筆遣いとぬくもりある色合いの、哀しい顔の絵です。この詩集そのもののように、微笑みながら泣いていて、美しいと感じます。 詩、という言葉に思い浮かべるものは人によって様々です。言葉により...

続きを読む

戦争を厭う歌。『日本歌唱集』(五)

 『日本の詩歌 別巻 日本歌唱集』(1974年、中公文庫)を読み、歌と詩について考えてきました。 前回は富国強兵のスローガンで明治政府が押し進めた戦争とその時代の歌を考えました。その後日本は、日清戦争(1894年明治27年)、日露戦争(1904年明治37年)、第1次世界大戦(1914年大正3年~1918年)、第2次世界大戦(1937年昭和12年~1945年)と絶え間ない戦争の時代に突入しました。 戦争だらけの時代に多くの軍歌、軍隊歌謡が作ら...

続きを読む

田川紀久雄・坂井のぶこ7月14日(土)朗読会のお知らせ

 詩人の田川紀久雄さんと坂井のぶこさんが、朗読会を開かれます。今回は私も参加させて頂き少し読ませて頂く予定です。お近くでご関心をもっていただけましたら、お気軽にお立ち寄りください。第6回いのちを語ろう 日時 2012年7月14日(土)開始14 時より。(開場13時45分)。場所 東鶴堂ギャラリー(鶴見)横浜市鶴見区鶴見中央4‐16‐2 田中ビル3F(JR・鶴見駅より徒歩5分、東急・鶴見駅より徒歩2分)。料金 2000円 予約...

続きを読む

戦争と賛美歌。『日本歌唱集』(四)

 『日本の詩歌 別巻 日本歌唱集』(1974年、中公文庫)を読み、歌と詩について考えています。 前回までまず、わらべ歌、小学唱歌、童謡というとても楽しくなる歌をみつめましたが、これらの歌が生まれた時代について対照的にどうしても強く感じることがあります。ほとんど絶え間なく日本が戦争をしていたことです。(アメリカはその後も相変わらず戦争ばかりしていますが。) 幕末、明治維新(1868年明治元年)は内戦でした。...

続きを読む

創作童謡。『日本歌唱集』(三)

 『日本の詩歌 別巻 日本歌唱集』(1974年、中公文庫)を読み、歌と詩について考えています。 この本に収められた歌の対象期間は、江戸時代からの古謡を含め、1968年明治元年から1970年(昭和45年)くらいまでです。 この本を読んで、私がいちばん楽しく懐かしく心ほがらかに感じた歌は、小学歌唱と童謡でした。 今回は大正元年(1912年)、約100年前の歌からみつめなおしてみます。 児童雑誌『赤い鳥』や『金の船』などが...

続きを読む

小学唱歌と童謡。『日本歌唱集』(二)

 『日本の詩歌 別巻 日本歌唱集』(1974年、中公文庫)を読み、歌と詩について考えています。 この本に収められた歌の対象期間は、江戸時代からの古謡を含め、1968年明治元年から1970年(昭和45年)くらいまでです。 この本を読んで、私がいちばん楽しく懐かしく心ほがらかに感じた歌は、小学歌唱と童謡でした。  今回は明治末(1912年)頃までの歌、今からおおよそ200年から100年前までの歌をみつめなおしてみます。 最初...

続きを読む

歌と言葉の音楽。『日本歌唱集』(一)

 『日本の詩歌 別巻 日本歌唱集』(1974年、中公文庫)を読み、歌と詩について、考えました。 私は資質的に抒情詩人なので、言葉の歌、言葉の響きにとてもこだわりがあります。ですから音楽性に乏しい涸れた現代詩に批判的になりがちですが、詩、詩歌が好きだから詩の創作に生きています。 作詞家、作曲家、ミュージシャンを目指さず、詩人であることを選んだのは、詩、詩歌でこそ、私が表現したいことを創作し伝えられるから...

続きを読む

最新記事

プロフィール

高畑耕治

Author:高畑耕治
Profile:たかばたけ こうじ
1963年生まれ大阪・四條畷出身 早大中退 東京・多摩在住

詩集
「銀河、ふりしきる」
2016年イーフェニックス
「こころうた こころ絵ほん」2012年同上
「さようなら」1995年土曜美術社出版販売・21世紀詩人叢書25
「愛のうたの絵ほん」1994年同上
「愛(かな)」1993年同上
「海にゆれる」1991年土曜美術社
「死と生の交わり」1988年批評社

検索フォーム