ツイートした詩想の、落穂拾いです。
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いま読書しているのは最初期の原始仏典「スッタニパータ」です。ブッタは約2500年前この星に生きていた、人間だった、ということを強く感じます。後の時代に神格化されましたが、彼の言葉にとても人間らしさを感じ、励まされます。
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本当に読みたいものから、ものを読もうという気持ちが強く、「源氏物語」、千年前から流れる時間をさまよっています。原文には紫式部の声、息づかいが聞こえます。
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古典からすぐに作品は生まれませんが、読み継がれてきた古文、言葉は、枯れがちなこころの土壌に水分と養分をとりもどしふくらませてくれる気がします。種が宿り芽吹き咲くためになくてはならない。
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千年前から、という言葉は、正確ではありませんでした。紫式部も古典を愛し深く読みとっているのだから。その古典の作者もまた同じように。
と考えると文芸は、人間が生まれたときから時と場所を越え、口承と文字で伝えられ流れきてくれているのだと励まされます。
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「源氏物語」の「蛍」の段を久しぶりに読みました。紫式部の物語観が、源氏と玉鬘(たまかづら)や紫の上との会話にあらわされています。今回は巻頭から原文と現代語訳を(新潮日本古典集成で)通読しているからか、曖昧だった文意が読みとれたことを、うれしく思います。
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書き手としての私の資質は小説家、物語作家ではないと書くことで知りましたが、ドストエフスキーをずっと尊敬しているように、紫式部を深く尊敬しています。彼女の歌も好きです。和泉式部、式子内親王の歌をこころから好きなように。
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「源氏物語」の「野分」を読みかえしました。姫君たちと台風に散り乱れても想いに香る花々が、とても美しいと感じます。
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