「ぼくはモダンな芸術など存在しないことを知っている。存在するのはひとつの芸術―不変の芸術だけだ」『エゴン・シーレ まなざしの痛み』カバーそで。水沢勉、東京美術。1911年9月1日付の叔父宛の手紙にある彼の考えた格言、共感する言葉の一つです。(この画集は彼の核を捉え美しくよいと感じます)私もずっと思ってきたので共感する言葉でした。「現代」の名を冠することで目新しさを押し出そうと露骨なある一時期の諸ジャンル、...
石川啄木と八木重吉を、全歌集、全詩集で、読みかえしたいと思っています。十代のわたしが手近な文庫でくり返し読んで詩歌を好きになったのは、彼ら二人と、高村光太郎。敬愛する気持ちはいつまでも変わりません。詩「涙」つまらないからあかるい陽(ひ)のなかにたってなみだをながしていた 『貧しき信徒』八木重吉なみだを ながすこの日本語の言葉の、「なみだ」と「ながす」に響きあう一文字目の「な」の頭韻、音の響き合いは...
ホームページ「愛のうたの絵ほん」に新しい詩作品を公開しました。詩 「白い海」 (短詩)詩 「歌も詩も」 (短詩)詩 「息とめ」 (短詩)☆ 詩集です。...
ホームページ「愛のうたの絵ほん」に新しい詩作品を公開しました。詩 「花だけを」 (短詩)詩 「人を人は」 (短詩)詩 「アカイトリ」 (短詩)☆ 詩集です。...
日本語の個性から生まれでて育くまれた詩歌の表現技術のひとつ、掛詞を大切に思っています。詩「羽おと」の、初句、「コブシひらき」は、コブシの花が咲くと、手のひらのこぶしが開いた、を重ね合わせています。最終二句「空の/あなたまで」は、空のずっとむこう、古語の「あなた」と、亡くなり天国、浄土、涅槃、救われる遠いところに今こそはいてくださいと願わずにはいられないひと「あなた」を、重ね奏で伝えたいと願い書きあ...
わたしは小学校の先生になることを真剣に考えたので。小学校のいい先生は(悪い先生も多いけれど)、子どもと同じ目線。心で、喜び笑い泣き悲しむことを望むからこそ、過酷なこの仕事を選んでしまう、心ある人がいるから。小学校の先生みたいな言葉、といえることは、今もわたしにとって誇りです。ミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」で歌われる歌はタイトル曲、「ドレミの歌」、「エーデルワイス」、そのほかみんな...
ホームページ「愛のうたの絵ほん」に新しい詩作品を公開しました。詩 「羽おと」 (短詩)詩 「ひかり雪」 (短詩)詩 「そのあとのことは」 (短詩)詩 「笛吹き」 (短詩)詩 「Art」 (短詩)☆ 詩集です。...
生きる気力を奪われるようなつらい報道だからこそ現在のこの国の弱い立場の人に冷たく過酷さを強いている酷さを、知りなおし、変えるためにできることをと、思います。「去年の自殺者 全国で2万1881人 増加に転じる 児童・生徒は過去最多 | NHK」助けを求めるのはあたりまえのことで、人を助けようとするのは人ならあたりまえのことなのだから、こころある人をさがし、なんとかみつけて、助けを求めてほしいと、願わずにいられませ...
思潮社「現代詩手帖」は、詩を厭わせる毒を撒き散らしてきたのが好きでないけれど。(つまらない吉本隆明や誰彼の放言を宣伝して)。けれども、『吉原幸子全詩Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ』はとてもよい。Ⅲの彼女の朗読CDはよい。このCDに、私の敬愛する岡山のノートルダム清心女子大学の赤羽淑がこの詩人を招き確実に聴いていらしただろう朗読と話があり、その場での吉原幸子の話は心を全開に開き素直に、率直に語っていて、心に響き驚きました。現代...
優れた芸術作品には、こんな美しい作品がどうして創れたのだろう、どうしてこんな作品が生まれることができたのだろう、と感じずにはいられないものがあって。創り手自身にすらあって。授けられたもの。その想いは、宇宙に対してどうして生まれたのだろうと感じずにはいられないのと同じ、響きあう。驚きとときめきを感じずにいられず、その奥底に、人間の想いの深さが沁み込んでいて、心に響いてくるのをおしとどめられず、苦しく...
ホームページ「愛のうたの絵ほん」に新しい詩作品を公開しました。詩 「星の音色の一枚の絵」 (長詩)詩 「うぶげ」 (短詩)詩 「ゆうぞら」 (短詩)詩 「夕映え」 (短詩)☆ 詩集です。...
芸術表現に、表現技術の学びと修練とあくことのない探求と模索は不可欠だと思うけれども、それ以上に大切でなくてはならないのは、美と善と真への願いと、人という生きものだからこその、愛(かな)しみを感じ、伝え合いたいと願わずにいられない、魂、心だと思います。手もとにおいて、読み返す和歌集、歌物語。古事記と日本書紀の歌謡。万葉集。古今集。後拾遺和歌集。新古今集。玉葉集、風雅和歌集。 伊勢物語、源氏物語の和歌...
エゴン・シーレは痛い。ランポーに似て、非情、他者にも過酷。シーレを教わった坂崎乙郎から手渡されたもう一つの真珠は、深井克美。彼の絵「オリオン」を私は第一詩集『死と生の交わり』に一葉としたかった。今も絵のコピーをずっと自宅の詩集に挟んでいます。純粋魂。そばの人を傷つけずにいられないけれども、そのようにしか生きられない人の魂の。深井克美は自分とともに、生んでくださった、母の心まで殺すこと、愛してくれる...
久しぶりに絵画展に行きました。エゴン・シーレ展。画家が真向きあい描いた生の線描と重ねた絵の具の波うつ構図の魅力に惹かれるとともに、絵の前に立ちどまり眼差しを向ける人はやはり好きだなと感じることができました。読書する人を好きなのとおなじほど。エゴン・シーレは、亡くなった坂崎乙郎が大学での(聴けて本当に良かったと心底思えた唯一の)講義で、その描かれた線の、誰にも描けない、繊細さを、酔いしれるように熱く...
ホームページ「愛のうたの絵ほん」に新しい詩作品を公開しました。詩 「ニ短調 アイのアリア」 (長詩)詩 「鎮魂歌」 (短詩)☆ 詩集です。...
ホームページ「愛のうたの絵ほん」に新しい詩作品を公開しました。詩 「コドク星」 (短詩)詩 「星楽章」 (短詩)詩 「戦争」 (短詩)詩 「花 感受性」 (短詩)☆ 詩集です。...
ホームページ「愛のうたの絵ほん」に新しい詩作品を公開しました。詩 「Poèmes」 (短詩)詩 「ひな祭り」 (短詩)詩 「もも祭り」 (短詩)詩 「落下星」 (短詩)☆ 詩集です。...
ショパンはバラード第一番が、燃えあがる情熱の美しさにうたれ、ずっと好きです。年齢を重ねてしまった今は、ソナタ第3番が 、狂おしいほどの、穏やかな、限りない美しさと、あきらめもまじりあう、花のやわらかな優しさに、生きるための、いのちを蘇らせられて、ふかくたいせつな、音楽です。夜想曲ノクターンの、素朴で純な美しさに、惹かれずにはいられないのと、おなじほど。ショパンのソナタ第3番、わたしはこの方、メジュー...
石川啄木、高村光太郎、有島武郎、太宰治、原民喜を、敬愛し、堀辰雄、川端康成の作品の美が好きで、三島由紀夫の「潮騒」「金閣寺」を書写して修練した過去があり、小野小町、和泉式部、紫式部、式子内親王、永福門院、与謝野晶子、葛原妙子のうたに惹かれるのは、ヒューマニスト、宗教にかよう永遠を慕う、絶望しがちな、耽美におちいりがちで逃れられない、どうしようもない資質、宿命なのだと思います。この世は、そのものとし...
好きな言葉ハモられる音楽、歌を聴くと1970年頃から、 詩と表現にこめる想いの切実さは、歌詞にとられたのだと思う。わたしは曲に言葉を載せられないし、載せられる言葉では伝えられないので、切実に曲に載せられない言葉を、どこへともなく向けて奏でたい。アコースティックギターを抱き抱え指を傷めていた頃。アルペジオの音の響き合いが、今もとても好き。思えず、望みを捨てた憧れ執着が、ワンダフルワールドなんてお気楽な言...