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創作。旋律、色彩

ショパンのピアノ曲はなんど聴き返しても、どうしてこんなにきれいな旋律、生まれたんだろう、と。求めつづけ、探しつづけ、創りつづけ、見つけられない嘆きのある日に、なぜか気まぐれにふと、ふりそそぎ訪れてくれた、おどろきと喜びと、ときめきと、疲れとかなしみがふるえていて、とてもきれい。作品の、もっとも大切な、なくてはならない旋律、色彩、かたち、詩句は、無から天才が創り出せるものではなくて、どこからともなく...

読書メモ。大乗仏教、神道、伝統色、黙示録。

読書メモ「大乗経典(ニ) 仏教聖典選第四巻」岩本裕、読売新聞社「一万頌(しょう)般若経」大乗仏教の《空》(くう)は、言葉では伝えようもないことが伝わってくる。「大乗経典(ニ) 仏教聖典選第四巻」岩本裕、読売新聞社「金光明経〔七〕弁才天」。女神サラスヴァティーの漢訳名。神奈川江ノ島で今も祀られている女神。讃たんの詩は、とても清らか。古代ギリシャの女性詩人サフォーの「アフローディディー(ビーナス)讃歌」の女神へ...

ショパン。太宰治。

<ショパン>もの静かな情熱ほど、けして絶えないほんとうの強さだと思うわたしは、イリーナ・メジューエワのショパンの響きがいちばん好きです。ショパン ピアノソナタ第3番はほんとうにきれい。おんぷの星、星、星たち、からだこころいちめん、ふりそそぐ。穏やかに簡素な旋律、ただ、美しい。ショパンはバラードの生命力と愛の情熱ががずっと好きだけれど、ソナタ第3番は生きて耐えそれでも創りあげずにいられなかった人の悲し...

岡本かの子。短歌と時代

「岡本かの子全集 第9巻 短歌」ちくま文庫。巻頭歌、好きな歌。力など望まで弱く美しく生れしままの男にてあれ初めの2歌集「かろきねたみ」「愛のなやみ」がいいと感じます。「岡本かの子全集 第9巻 短歌」巻末歌から二首目、嫌いな歌。昭和十四年の陽は登るなり聖戦国幸(さきは)へる国大和島根に著名になり、国の大勢、国家、ジャーナリズムの偽報道、大衆多数世論、雰囲気にのまれてしまい、南京陥落の歌、ヒットラーやムッソリ...

言葉の生命力

受け継がれるもの。移り変わるもの。絶えるもの。文語は文語となり、口語と離れて、意味さえ読み取り難くなるほど、時と人とともに移ろい姿を変えるのが言葉だから。そのことを受けとめるときなおさら、はるか万葉の時代から変わらない姿、響きで受け継がれてきた言葉は、海、波、山、野、日、風、雨、雪、花、滴、心、春、秋、朝、夕、月、子、鳥、どれも愛おしく、これからも受け継がれ息しつづけてほしいと願います。被写体、モ...

詩と短歌の文語表現

数日、近代歌人の短歌を数多く読んでいると、悲しカリケル、想ハルル、ケラシモ、カモ、カナ、ハモ、これらの日常からかけ離れた韻文文語は日常語散文口語のあまりにどこにでもあたりまえにあるあじけなさを、言葉の葉をくすぐり翻らせ光らせささめかせ舞い散らせる、微かな風の音のようだと感じます。歌い手が歌詞に曲を添え旋律にのせ舞いあがらせるように。わからないほど、ずっと静かに。音の鳴らし方の、約束ごとのように。知...

詩人の永井ますみさんが詩集「純心花」の作品をご紹介くださいました。

詩人の永井ますみさんがご自身のホームページ「山の街から」で、わたしの詩集「純心花」の詩作品をご紹介くださいました。...

感動は感情。パスカルの『パンセ』

小説の展開と描写と叙述の斬新さと精緻さ、短詩型の優れ透徹した目と意思に徹した写生、抒情の旧弊をモダニズムの翻訳で超克したと踏み迷い驕り墜ちた現代詩の知性偏重。それだけではその主張を表し得た作品でも読むと虚しい。作品にあいにゆくのは澄み透って響かずにいられない心の切実さを探すから。文学表現は類人猿としてのわずかな知性をつつみひろがる、感性、感受性の無限、無限、未知のゆたかなときめき。文学の真珠は、ど...

日本語。知里幸惠。八木重吉

読書メモ「日本語の歴史」山口明穂、鈴木英夫、坂梨隆三、月本雅幸、東京大学出版会。時代を奈良、平安、鎌倉・室町、江戸前期と後期、明治以降に区分し、音韻、文字、語法、語彙、文体について、多くの用例を読みながら学べる。人と言葉は移ろうものと、感じる。「日本文学全集30日本語のために」池澤夏樹個人編集、河出書房新社。祝詞、仏教、キリスト教の文学と、現代かな遣い、日本語論考の選び方に特色があり学べる。アイヌ文...

高畑勲の「かぐや姫の物語」。絵、マンガ、アニメの日本の伝統の感性

読書「十二世紀のアニメーション -国宝絵巻物に見る映画的・アニメ的なるもの」高畑勲、徳間書店/スタジオジブリ・カンパニー。平安時代の絵巻物「信貴山縁起絵巻」「伴大納言絵詞」「鳥獣人物戯画」などをアニメ、映画の創作視点から見つめ解きあかす。日本の絵、マンガ、言葉、感性の考察も深い。高畑勲の「かぐや姫の物語」は、とても美しく感動したけれど。海外評価が驚くほど高くなかったのは、日本画、日本芸術、日本の感性...

中島みゆき。ルーブル美術館展「愛を描く」。芸術とAI

中島みゆき「ホームにて」名曲。曲も詩も。初期アルバムの彼女の詩に、多くのことを教わりました。この質を保てなかったのは生活するためにしかたなかったのだろうし、しんどすぎて選んだのだろうけれど。中島みゆき。いい詩があるときから消えた。受ける歌詞は書き続けたけど。シンガーソングライターは現世で売れると儲けてしまい楽になれる可能性があり満足してしまい、書きたいことさえ、見失えてしまいどうでもよくなれるのか...

人間の、表現。絵と詩。

「ぼくはモダンな芸術など存在しないことを知っている。存在するのはひとつの芸術―不変の芸術だけだ」『エゴン・シーレ まなざしの痛み』カバーそで。水沢勉、東京美術。1911年9月1日付の叔父宛の手紙にある彼の考えた格言、共感する言葉の一つです。(この画集は彼の核を捉え美しくよいと感じます)私もずっと思ってきたので共感する言葉でした。「現代」の名を冠することで目新しさを押し出そうと露骨なある一時期の諸ジャンル、...

石川啄木と八木重吉。花、星のひかり

石川啄木と八木重吉を、全歌集、全詩集で、読みかえしたいと思っています。十代のわたしが手近な文庫でくり返し読んで詩歌を好きになったのは、彼ら二人と、高村光太郎。敬愛する気持ちはいつまでも変わりません。詩「涙」つまらないからあかるい陽(ひ)のなかにたってなみだをながしていた 『貧しき信徒』八木重吉なみだを ながすこの日本語の言葉の、「なみだ」と「ながす」に響きあう一文字目の「な」の頭韻、音の響き合いは...

詩歌。現代短歌と現代詩。

日本語の個性から生まれでて育くまれた詩歌の表現技術のひとつ、掛詞を大切に思っています。詩「羽おと」の、初句、「コブシひらき」は、コブシの花が咲くと、手のひらのこぶしが開いた、を重ね合わせています。最終二句「空の/あなたまで」は、空のずっとむこう、古語の「あなた」と、亡くなり天国、浄土、涅槃、救われる遠いところに今こそはいてくださいと願わずにはいられないひと「あなた」を、重ね奏で伝えたいと願い書きあ...

サウンド・オブ・ミュージック。ポール・マッカートニー。宇多田ヒカル。純な、歌

わたしは小学校の先生になることを真剣に考えたので。小学校のいい先生は(悪い先生も多いけれど)、子どもと同じ目線。心で、喜び笑い泣き悲しむことを望むからこそ、過酷なこの仕事を選んでしまう、心ある人がいるから。小学校の先生みたいな言葉、といえることは、今もわたしにとって誇りです。ミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」で歌われる歌はタイトル曲、「ドレミの歌」、「エーデルワイス」、そのほかみんな...

マンガのこと。萩尾望都、紡木たく、「巨人の星」のプルースト

生きる気力を奪われるようなつらい報道だからこそ現在のこの国の弱い立場の人に冷たく過酷さを強いている酷さを、知りなおし、変えるためにできることをと、思います。「去年の自殺者 全国で2万1881人 増加に転じる 児童・生徒は過去最多 | NHK」助けを求めるのはあたりまえのことで、人を助けようとするのは人ならあたりまえのことなのだから、こころある人をさがし、なんとかみつけて、助けを求めてほしいと、願わずにいられませ...

詩と短歌と小説のこと。吉原幸子、水原紫苑、大江健三郎 赤羽淑 加藤幾惠

思潮社「現代詩手帖」は、詩を厭わせる毒を撒き散らしてきたのが好きでないけれど。(つまらない吉本隆明や誰彼の放言を宣伝して)。けれども、『吉原幸子全詩Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ』はとてもよい。Ⅲの彼女の朗読CDはよい。このCDに、私の敬愛する岡山のノートルダム清心女子大学の赤羽淑がこの詩人を招き確実に聴いていらしただろう朗読と話があり、その場での吉原幸子の話は心を全開に開き素直に、率直に語っていて、心に響き驚きました。現代...

芸術。音楽。絵。詩。心。

優れた芸術作品には、こんな美しい作品がどうして創れたのだろう、どうしてこんな作品が生まれることができたのだろう、と感じずにはいられないものがあって。創り手自身にすらあって。授けられたもの。その想いは、宇宙に対してどうして生まれたのだろうと感じずにはいられないのと同じ、響きあう。驚きとときめきを感じずにいられず、その奥底に、人間の想いの深さが沁み込んでいて、心に響いてくるのをおしとどめられず、苦しく...

芸術表現の情熱 和歌 短歌 俳句 詩 

芸術表現に、表現技術の学びと修練とあくことのない探求と模索は不可欠だと思うけれども、それ以上に大切でなくてはならないのは、美と善と真への願いと、人という生きものだからこその、愛(かな)しみを感じ、伝え合いたいと願わずにいられない、魂、心だと思います。手もとにおいて、読み返す和歌集、歌物語。古事記と日本書紀の歌謡。万葉集。古今集。後拾遺和歌集。新古今集。玉葉集、風雅和歌集。 伊勢物語、源氏物語の和歌...

詩の生まれ出る泉、文語と口語に流れつづける音色と旋律

文語の美はある。能、歌舞伎にある、伝統芸能としての、美。その根を、引き抜き断ち切られるともろい。根無し草。干からび、生命力を失い枯れがち。口語の短詩形のうすっぺらさのように。けれども、そのあらわれが、今そのものか。どちらの良さも悪さも、吸いあげる野の雑草、咲けるかぎりの、花を。現代短歌の文語表現について。伝統的な技法フレスコ画やテンペラ画での絵画創作に似かようものなのかもしれない。より良い作品へ選...

芸術、作品について

作品として息を吹き込まれ息づいたいのちを、価値とは呼ばなくても、生まれたことを支えるものはなにか、とまじめに考えると。例えば、賞は名札としてわかりやすいけれど、一年、数年、長くても十年ですっかり忘れられてしまう虚しい商業的な興業にすぎないと思う。なら、作品のいのちはなにによって?作品そのもののいのちの響きによって。作品を授けられた作者の込めた思い、感動、愛情の深さによって。偶然に出会えた受け取る人...

近代詩歌と現代詩歌、短詩のこと

良い短詩は、短歌、俳句という凝結できる韻律詩、形象詩にはない、この詩の姿でしか表せられなかったんだと訴える何かが不可欠と思う。文語の美しさを好きで惹かれるけれども。明治大正の詩人歌人俳人の文語力と正面に互角に、言葉への細やかな感性で表現できるとは努力して学んでも私には思えません。育てられた口語自由律の茎に、感性の細やかさの限りを尽くして、文語の幻の花の香もそことなく漂う表現に精魂を込めたい。願いで...

現代詩を標榜してきた人たちの商業主義的セクト化のこと。

いま詩を創り書く人は同じ一人として好きだけれど、いわゆる現代詩を標榜してきた人たちは商業主義的にセクト化した政治イチミに似たアクが強すぎ好きになれない。思想家、詩人とされる吉本隆明の韻律論争での岡井隆に対しての罵りは酷くぞっとした。政治屋モノマネの罵倒に鈍感な者が詩を語れるか?率直に吉本隆明の「初期歌謡論」は、古代詩歌、古代歌謡を商業用コピーライトとして悪用した、でたらめな駄作にしか、わたしには読...

詩を愛す。

韻律がきれい、美しいと、感動をよびおこし、はっきりとまたは潜在的に、こころの耳をくすぐりゆたかなよろこびを生みだせないのは、言葉の芸術、詩歌としての、最低限のレベルに届けていないのだとわたしは思います。はっきりと誰にでもわかりやすい定型押韻として、期待され繰り返し遂げられる誓約遵守の脚韻のあきらかな快い音の響きあう喜びは日本語の詩歌には表面的にはあらわれず感受しがたいのは、韻律の美の極みのありかが...

言語芸術の美。リズム・韻律と音・調べ

実用言語、ビジネス言語、多国籍意思疎通言語としての英語米語は生活に有用で活用すれば役立つけれどそれはそれ。言語芸術の美は次元が別。音楽、ポップではリズムと強弱で凡庸を隠せても日本語の詩歌を美しく心に響くものとしつづける詩歌の創造の世界は日本語そのものを感じ響かせ奏でることが生命。FMラジオで洋楽番組を聞き始めたころDJが流ちょうな英語を交えながら、英語的なクセにゆがんだ発音の日本語を話すのが印象的だっ...

日本語詩とフランス語詩、英語詩とドイツ語詩。

日本語詩とフランス語詩は強弱抑揚がとても弱いので、母音の諧音・ハーモニー・響あいを、美しく聴きとりやすい。子音も同じように。英語詩とドイツ語詩は強弱メリハリが強くリズムが核のため母音の響あいは脚韻以外は弱い。子音のほうがまだ響きあう。戦後の日本語は、戦後現代詩も、戦勝国の英米語の氾濫にさらされ受容したので、日本語と美質のちがう!リズム本位の英語を真似ようとして、諧調、母音、子音の、諧調、響あいの感...

現代詩、定型音数律歌、自由律詩歌、無限諧音詩歌。

戦後現代詩の足どりと代表作とされる詩を取りあげた本を久しぶりに読みましたが好きにはなれませんでした。詩も和歌も俳句もつまらない流派組織会社商売の宣伝コピーではないのだから枠のヨイショを外してもしなびることのない、好きと感じ響く作品と作者を大切にし続けたいとあらためて思いました。定型音数律歌はきれいなのだからきれいに響いてくると感じつづけられるかぎり、定型音数律でありつづけるし、ありつづければいい。...

詩歌の韻律と朗読について。

わたしは詩歌、詩、和歌が好きなので、また創作者としての感受性も深めたくて、いろんな朗読を聞きます。万葉集、和歌、フランス詩、ドイツ語詩、英詩、中国語詩、韓国語詩などの朗読を、聴き返し、感じています。詩の韻律、詩の音楽は、黙読したときにもっとも美しいのではないか、と。ウェブで、萩原朔太郎、与謝野晶子、書き手自身の自作朗読を聴くことができました。ともに、詩人、歌人として、もっとも美しい韻律の詩と短歌の...

詩、定型詩の韻律 赤羽淑の著作

日本語の詩、和歌、短歌、俳句の、定型、韻律について、赤羽淑の読み取りと考察がもっとも優れていると私は創作者として感じ思います。詩歌にとってもっともたいせつなものが記されています。著書を読み返して、気づいていなかったことを、またあらたに感じとれました。赤羽淑 著書『藤原定家の歌風』桜楓(おうふう)社、『定家の歌一首』同、「和歌の韻律」『論集 和歌とレトリック』笠間書院、所収。『リズムの美学-日中詩歌...

詩、定型詩の音数律と韻律のひみつ

詩論家として極め立つことを意思するよりも、実作者に徹することがわたしにもっともできること、したいこと、意思することであるので、論考としての厳密さの探求にはのめり込まず韻律について見出せたことと、書き手読み手としてのこだわりを、感性表現の姿で記しました。・日本語の詩の韻律は音数律のみという断言はとても貧しい・音数律のリズムと韻律音色の溶けった音楽旋律・短歌和歌を三十一の単音リズムの組み立て模型とみる...

Appendix

プロフィール

高畑耕治

Author:高畑耕治
Profile:たかばたけ こうじ
1963年生まれ大阪・四條畷出身 早大中退 東京・多摩在住

詩集
「純心花」
2022年イーフェニックス
「銀河、ふりしきる」
2016年イーフェニックス
「こころうた こころ絵ほん」2012年イーフェニックス
「さようなら」1995年土曜美術社出版販売・21世紀詩人叢書25
「愛のうたの絵ほん」1994年土曜美術社出版販売
「愛(かな)」1993年土曜美術社出版販売
「海にゆれる」1991年土曜美術社
「死と生の交わり」1988年批評社

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