芸術表現に、表現技術の学びと修練とあくことのない探求と模索は不可欠だと思うけれども、それ以上に大切でなくてはならないのは、美と善と真への願いと、人という生きものだからこその、愛(かな)しみを感じ、伝え合いたいと願わずにいられない、魂、心だと思います。
手もとにおいて、読み返す和歌集、歌物語。古事記と日本書紀の歌謡。万葉集。古今集。後拾遺和歌集。新古今集。玉葉集、風雅和歌集。 伊勢物語、源氏物語の和歌。
手もとに全和歌、全短歌、全句、全詩をおいて、読み返す詩歌の人。
万葉集すべて。古今集の詠み人知らず。小野小町。和泉式部。式子内親王親王。西行。建礼門院右京大夫。藤原定家。永福門院。松尾芭蕉。
全詩歌作品を手もとにおいて読み返し共感し自らを高め励ます歌人、俳人、詩人。高村光太郎、萩原朔太郎、金子みすず、知里幸恵、岡本かの子、宮沢賢治、中原中也、種田山頭火、尾崎放哉、釈迢空、原民喜、堀川正美、吉原幸子、高畑耕治。
強い個性を通底して、これらの詩歌びとの、言葉の音楽が奏で響きあっているのは、人として生まれ生きている、魂、愛(かな)しみ。
と、美と真と善と純を、愛し求めやまずにいられない、心。
だからこそ、苦しみ嘆き泣き、耐え、微笑む、人だからこその、心。
伝えずにはいられないと、言葉の表現の可能性を求めやまずにいられない恋いこがれずにいられない狂おしい情熱。
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