ツイートした詩想の、落穂拾いです。
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「源氏物語絵巻」(二玄社、日本名筆選40)を、原文の言葉をゆっくりたどり読み、観ました。絵に登場人物をなつかしく想うとともに、特に「御法」の巻の最終部の紫の上が亡くなる場面などは、文字の姿、仮名の連綿体に感動が繊細に力強く浮かび沈みたしかに流れていて、美そのものだと感じます。
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「古今和歌集 元永本」(二玄社、日本名筆選30)の紀貫之の仮名序も読み返しました。千年前に書かれ読まれていた文字をいま読めるのは私にとって喜びです。それ以上に、書き記されたやまとうたについての貫之の矜持には、とても励まされます。
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古筆、名筆を読みたいと、たどたどしく学んでいます。素人ながら古今集の高野切の第一種はとても美しい仮名の連綿だと感じます。和泉式部続集切は敬愛する歌人のうたなのでうれしく、西行の山家心中集は俊成や定家が読んだ文字、筆跡でもあるので創作の励みにもなります。
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「枕草子」を読んでいます。猫と、翁丸(おきなまる)という名の犬の話は、とても印象的でした。感性のエッセイだと感じます。感動の深さを種とする物語や歌とはまたちがい、身構えずに読めるのは、気ままに書き流された想いが軽やかにかがやくからでしょうか。
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実用性実業こそすべての物差しであらゆる角度から尺度を強制的に測れるものだと決めつけ締め付け自縛を喜ぶ世相世間にいても、なんのやくにもたたなくてもいいものは、たいせつなものはあるんだよ、人間にとっては、と、文学を芸術を大切に想い、生きてやろうと想う。
(より丁寧な言葉にすると、)人として生かされてあるいまの時を大切にしたいと願う。
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詩も文学も芸術も無益だから好きなんだ
なみだやほほえみのようなもの
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詩集 『銀河、ふりしきる』 高畑耕治
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書名 「銀河、ふりしきる」 高畑耕治
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