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なぜ言葉で

 どうして絵ではなく、映像ではなく、舞踏や演劇ではなく、音楽や演奏ではなく、言葉で、言葉の芸で、表現し伝えようとするのか、考えてきました。それぞれの芸術、芸だからこそ、伝えうるものか゛あります。
 その奥深い山々の裾野の小道をさ迷った末に、私という個性が感じとれ伝えたいと願うものを、願うかたちに一番近づけて表現できるのは文芸・文学だと感じ、引き返さない覚悟で歩んでいく方角を決めました。 小説家を目指しましたが生まれるのは詩でした。具象性、出来事や物を描き構築することへの関心は本来的には強くないことを知り、書かずには、伝えずにはいられない、思い、心を、言葉で表現することが、私にとっての、私が選んだ芸術であり、それが詩でした。
 旅立ちの日の目標だったドストエフスキーの高い峰に登る道からは資質から逸れてしまいましたが、彼と同じ詩心で創作し続け、もうひとつの目標、ふと散歩したくなる身近な丘のみどり、なつかしい山の草花のような、貧しく売れない詩人、けれど大切な何かを感じとれる詩を書く人であることに誇りを持ち、手のひらを差し伸べてくださる方の心にそっと揺れる詩を、生み続けたいと思います。
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プロフィール

高畑耕治

Author:高畑耕治
Profile:たかばたけ こうじ
1963年生まれ大阪・四條畷出身 早大中退 東京・多摩在住

詩集
「純心花」
2022年イーフェニックス
「銀河、ふりしきる」
2016年イーフェニックス
「こころうた こころ絵ほん」2012年イーフェニックス
「さようなら」1995年土曜美術社出版販売・21世紀詩人叢書25
「愛のうたの絵ほん」1994年土曜美術社出版販売
「愛(かな)」1993年土曜美術社出版販売
「海にゆれる」1991年土曜美術社
「死と生の交わり」1988年批評社

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