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好きな言葉「愛のうたの絵ほん」(二)。詩は音楽、絵画。

 前回に続き今回も、好きな言葉「愛のうたの絵ほん」を通して、
詩をみつめます。

 詩は、白紙に生みだす、言葉の音楽、言葉の絵画。

1.詩は言葉の音楽

① リズム、音数律の快さ

3音+(間)、3音+間、3音+沈黙
「のnO」が脚韻のように、
がリズム、間(ま)を生み、3行詩のよう。

愛の(nO)
うたの(nO)
絵ほん(n沈黙)


最終文字の「ん」
「の」NOのように子音+母音ではなく
子音nだけ。子音+無音に溶けて沈黙が続くと感じる。

② 音色

詩は言葉の調べ。音色と抑揚ある、旋律。

・母音の音色。
「あ」  高く開かれた明るい音色。
「い、え」中ほどの閉じた強い音色。
「う、お」低く閉じた静かな音色。

・子音の音色
n音:弱くくぐもり内向する
t音:強く発散主張する
h音:はかなくほんわり


③ 音色と抑揚。言葉の旋律の楽譜(三線譜)

(音数)  1  2  3 4    5 6  7 8    9  10  11 12
高開明音  A           tA       
中閉強音   I                 E
低閉静音    nO 間   U    nO 間     hO n 沈黙 


2.詩は言葉の絵画

①漢字とひらがな、文字のかたち

「愛」と「絵」は漢字のかたちが好き。
(「あい」も好き、「え」一文字は弱く感じる)。
漢字は一目、瞬時で意味を伝える。

「うた」、「ほん」は、
「歌」、「本」より、やわらかなひらがなの丸みを選んだ。
ひらがなは画数が少なくまるみのある曲線が心をやわらかくする。

② 詩句、詩行の並び

詩作品では、文字と文字の並び、詩行の並び、余白も、
書や絵画に通じる、白紙に描きあげる表現。

 詩は初めから解が見つかると予想され決められた、知性による計算、演算ではないと思います。
 だから、詩を作るときに計算はしません。

 私は、無音の白紙に、言葉の音楽と絵を描きたくて、
こんなことを感じとりさぐり見つけだしつつ、創作しています。

 ただ忘れてはならないのは、芸術が生まれてくるのは、想い、願い、感動からだということです。
伝えずにはいられないそれらの強さこそが、作品のいのちです。

 伝えるために、美しい音と色を懸命にさがし生み出す努力が、創作だと私は思います。

 


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(A5判並製192頁、定価2000円消費税別途)
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    詩集 こころうた こころ絵ほん

 イメージング動画(詩・高畑耕治、絵・渡邉裕美、装丁・池乃大、企画制作イーフェニックス・池田智子)はこちらです。
絵と音楽と詩の響きあいをぜひご覧ください。
    こだまのこだま 動画  


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プロフィール

高畑耕治

Author:高畑耕治
Profile:たかばたけ こうじ
1963年生まれ大阪・四條畷出身 早大中退 東京・多摩在住

詩集
「純心花」
2022年イーフェニックス
「銀河、ふりしきる」
2016年イーフェニックス
「こころうた こころ絵ほん」2012年イーフェニックス
「さようなら」1995年土曜美術社出版販売・21世紀詩人叢書25
「愛のうたの絵ほん」1994年土曜美術社出版販売
「愛(かな)」1993年土曜美術社出版販売
「海にゆれる」1991年土曜美術社
「死と生の交わり」1988年批評社

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