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詩が生まれでるかたち

詩となって思いが生まれでる、現れかたかたのかたちには、ふたつあると思っています。
 ひとつは、裏表・一体となった叫びと祈りで、修飾のない、むき出しの心の、直接的な表現です。
 そのようにしか表現しえない声には、批評を越えた尊い大切なものを感じます。伝えるという意味では、強烈な共感を生む強さと、感じうる相手を狭めてしまうことを合わせ持っていると思います。
 私は表現を始めた時、修飾が嘘の上塗りだと感じ嫌いでした。最初の作品集は、詩集ではなく狭く限られた方にしか届かなかったけれど、そのようにしか表現できなかった、そのような表現でしか生まれようとしなかった言葉は、伝えるための努力が欠けた稚拙な表現ではあるけれど、私にとっては今でも嘘ではない、大切なものです。
 アフォリズムや手記、ドキュメンタリーの切実さに、これは虚構じゃないんだと痛くなって自然に涙がこみあげるのは、生きていることこそ本当は詩なんだと痛みに心があらわれて、どうしようもなく揺れてしまうからだと思います。 もうひとつの詩のかたちは、伝えるために、懸命に、虚構としての詩を創作することですが、あらためて思うことを記したいと思います。
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プロフィール

高畑耕治

Author:高畑耕治
Profile:たかばたけ こうじ
1963年生まれ大阪・四條畷出身 早大中退 東京・多摩在住

詩集
「純心花」
2022年イーフェニックス
「銀河、ふりしきる」
2016年イーフェニックス
「こころうた こころ絵ほん」2012年イーフェニックス
「さようなら」1995年土曜美術社出版販売・21世紀詩人叢書25
「愛のうたの絵ほん」1994年土曜美術社出版販売
「愛(かな)」1993年土曜美術社出版販売
「海にゆれる」1991年土曜美術社
「死と生の交わり」1988年批評社

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