愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想

落穂拾い、こころの。




＊

ふと思い出した。もう十数年まえ、まだ十いくつかのころ。
美術の模写に選んだポスター、
チャップリンの、
ちょびひげヒトラー。

見渡せばいま、
海のむこうにも、こちらにも、ＴＶにも、
チャップリン映画から
周回時代遅れの、
独裁者。
酔った演技をいまさら観る気になんてなれない。


　　＊

ヒトラーもどき三文役者の、
恥ずかしくて心ひきつる喜劇に、
へつらい笑うエキストラを無理強いされる社会なんて、
崇拝さもなくば強制収容所または特攻ゆき国家なんて、
二度と
ごめんだ。


＊

いま
天国極楽ニルヴァーナ
理想社会にいるなら
なんにもする気にならないもう
なんにもしない

いまこんな
時代劇さながら
弱肉強食封建国家
社会
いごこちよさの
悪寒に
ねむれない

すこしはましな
よりましな
せずにいられないこと
したならやがて
ねむれるきが
する


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A5判、400ページ、出版社イーフェニックス、税込540円。
393作品収録。 カバー・章扉絵・渡邉裕美。



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書名　「銀河、ふりしきる」　高畑耕治
ISBN　978-4-908112-17-1
出版社　イーフェニックス（地方小出版流通センター扱い）

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