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万葉集の好きな歌 (巻第十五) 狭野弟上娘子

万葉集 巻第十五 狭野弟上娘子 サノノオトカミノオトメ

魂は朝夕にたまふれど我が胸痛し恋の繁きに
(訳)
たましひはあしたゆふへにたまふれど あがむねいたしこひのしげきに) 意訳、想いは結ばれているけれど、それでも恋しさに胸が痛むのです。

万葉集巻第十五 狭野弟上娘

我が背子が帰り来まさむ時のため命残さむ忘れたまふな(わがせこ、いのちのこさむ)
(意訳)
あなたが帰ってくるその時までは命をなんとか残そうとがまんしています、忘れないで。

想いの真実を露のように宿した歌は、生まれ落ちた場所を離れても光を失わないと教えられます。

WAGAsekoGA
kaerikimaSAM
tokioTAMe
I inochi nokosam
WAsUreTAMafUna

想いのあふれだした歌ですが、音調も美しく波立っていて大文字にした音が波頭のように響きあっています。
目立ちませんが母音iイと子音kも四句まで強くしぶきをたてています。

「わすれたまふな」は子音母音も柔らかな転調です。
「む」は、muとmとnのあいだをゆりうごくくらいのあいまいな音のように思います。



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プロフィール

高畑耕治

Author:高畑耕治
Profile:たかばたけ こうじ
1963年生まれ大阪・四條畷出身 早大中退 東京・多摩在住

詩集
「銀河、ふりしきる」
2016年イーフェニックス
「こころうた こころ絵ほん」2012年同
「さようなら」1995年土曜美術社出版販売・21世紀詩人叢書25
「愛のうたの絵ほん」1994年同
「愛(かな)」1993年同
「海にゆれる」1991年土曜美術社
「死と生の交わり」1988年批評社

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