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ダンテ『神曲』愛。3による表現技法。

 ダンテの壮大な『神曲』全体に照応している縮図のようなひとつの歌(カント)、3行3連、9行に凝縮されている抒情の凄みを見つめます。 出典の『イタリアの詩歌―音楽的な詩、詩的な音楽』の「第3章イタリアの詩形」で、天野恵氏は、地獄篇第5歌が「愛欲の獄」としてひろく知られ、ロダンの彫刻《接吻》、《地獄門》、《考える人》の種となったことを興味深く教えてくれます。(ロダンのこれらの作品の写真はウィキペディアで見る...

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ダンテの詩宇宙『神曲』

 『イタリアの詩歌―音楽的な詩、詩的な音楽』の天野恵氏による「第3章イタリアの詩形」を通して、詩を見つめています。 ペトラルカの美しい抒情詩を聴き取りましたが、今回と次回は、壮大な叙事詩、ダンテの『神曲』について、その詩形という観点で考えてみます。 典型的な抒情詩人であり私が好きなポオは詩論で、「詩が詩であるのは、魂を高揚して激しく興奮させる限りであり、詩的興奮は束の間のもの。だから長編詩は実際は短...

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敬愛する編集者。加藤幾惠さん。

 11月14日のエッセイ「ダンテが100円。文学と経済価値」は文学の現況への率直な思いを記しました。ただ私が編集に携わる多くの方を憎んでいるかのような誤解を招きかねない舌足らずな表現かもしれませんので、私の真意をもう少しだけ丁寧に付け加えます。 私は本当は編集者が好きです。私自身の職業の出発点としても、編集者を選びました。その職業に携わる方が好きだからこそ、編集者の志をもたない人、見失い驕っている人がき...

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田川紀久雄詩集『鎮魂歌 東日本大地震のための応援詩』の詩を紹介

 詩人・田川紀久雄さんの詩「生きてさえいれば / それでも聲を出し続ける / 虚しさは生きている証拠だ」 を、私のホームページ『愛のうたの絵ほん』の「好きな詩・伝えたい花」で紹介しました。 詩「生きてさえいれば」 詩「それでも聲を出し続ける」 詩「虚しさは生きている証拠だ」 田川さんの詩集『鎮魂歌 東日本大地震のための応援詩』から、私の心にとくに強く木霊する好きな詩を紹介させて頂きました。 この詩集に込め...

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詩人・田川紀久雄への共感

 詩人の田川紀久雄さんは、漉林書房を運営して自らの詩集を刊行され続けるとともに、詩誌『操車場』(詩と評論)を編集、発行され、現在「末期癌日記」を連載されています。 発行日本年12月1日の第54号から、私が心から共感する言葉を少しだけ引用させて頂きます。二〇一一年十月二十九日(土)晴(略)名詩といわれても「こんなの解らない」と答える人が多い。詩集「百歳」を書いた詩人の本は書店でも売れている。でもこのよう...

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詩が好き。書き手と読み手を結ぶ。

 今回は『イタリアの詩歌―音楽的な詩、詩的な音楽』の天野恵氏による「第3章イタリアの詩形」のまとめの言葉から、共感する言葉を拾い上げつつ思うことを記します。 前回、芸術の創作の根底には、伝統を踏まえた個性による創造力が必ずあることを記しました。現在の日本の言葉の芸術をみつめると次のような傾向があるように私は思います。1.短歌の創作。古来からの伝統にもとづく歌のかたちが出来上がっているので、形式におい...

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ペトラルカ。抒情詩の創造

 今回は『イタリアの詩歌―音楽的な詩、詩的な音楽』から、ペトラルカの『カンツォニエーレ』126番の最初の詩節と、結びの詩節の抜粋を引用します。全68行の定型詩カンツォーネの標準形です。 愛する女性への思慕の情が清流のように流れきらめいていて、せせらぎのように美しい抒情詩だと感じます。 700年近い時を流れてきた水を手にすくい口に含めることをとても嬉しく思います。 もうひとつ、著者・天野氏の定型詩カンツォー...

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ペトラルカの詩法(一)。字余りと字足らず。

 私にとって、イタリア詩は、その源流のラテン語詩、オイディウスの『変身物語』以降は空白地帯でした。 西欧の詩歌とその詩法を見つめなおそうと思い見つけて読むことができた出典の『イタリアの詩歌―音楽的な詩、詩的な音楽』はとても教えられることの多い発見に満ちた心を豊かに揺らしてくれる本でした。今回と次回はそのなかから、ペトラルカのカンツォーネを見つめます。 まず、ドイツ詩を見つめた際にも記しましたが、詩...

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ダンテが100円。文学と経済価値

 個人的な身辺事情で、ブログの公開ペースが鈍り文筆家として悲しく恥ずかしく思っています。 そのことと直接結びつきませんが、二十歳代からずっと読もうと思いながら二十数年読めずにいた、ダンテの『新生』と『神曲』を、読み終えてから彼の著作について書きたいという思いも重なっています。なぜなら、少なくともダンテは『神曲』を彼の命をかけて、全生涯をかけて書いていること、そのような彼の生きざまを私は心から尊敬し...

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詩を聴きとり、創作すること。フランス詩法。

 杉山正樹著『やさしいフランス詩法』を読んで感じ考えたことに、少し付け加えたくなったことを書きます。 まず、「La mer 海、フランスの好きな詩」に中原中也訳で以前咲かせたランボーの詩「永遠」の好きな一節を見つけて懐かしく嬉しく感じたので、引用します。Elle est retrouvée.Quoi? -L'Éternité.C'est la mer alléeavec le soleil.[ɛ-lɛ Rǝ-tRu-ve ][kwa le-tɛR-ni-te...

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新しい詩「さがしています」を公開しました。

ホームページ『愛のうたの絵ほん』の「虹・新しい詩」に、新しい詩「さがしています」を公開しました。  詩「さがしています」10月下旬闘病のすえ父が亡くなりました。個人的なことですが心のまま祈り捧げます。...

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フランス詩の哀しいR音(ニ)

 フランス詩との出会いについてのエッセイを以前「フランス詩の哀しいR音」を以前書きました。不勉強だったこともあり、フランス詩を感じとり直したくも思い、読んだ杉山正樹著『やさしいフランス詩法』は、詩のかたちの伝統と変革について丁寧に述べられている優れた本でした。 詩人たちの詩の引用には必ず発音記号が付けられているので、ゆっくり文字を追いながら、ボードレールやヴェルレーヌの言葉の音楽をなつかしく思い起...

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新しい詩「こころ絵ほん(ろく) 秋色、絵の具」を公開しました

ホームページ『愛のうたの絵ほん』の「虹・新しい詩」に、新しい詩「こころ絵ほん(ろく) 秋色、絵の具」を公開しました。  詩「こころ絵ほん(ろく) 秋色、絵の具」お読みいただけると、とても嬉しく思います。...

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プロフィール

高畑耕治

Author:高畑耕治
Profile:たかばたけ こうじ
1963年生まれ大阪・四條畷出身 早大中退 東京・多摩在住

詩集
「銀河、ふりしきる」
2016年イーフェニックス
「こころうた こころ絵ほん」2012年同上
「さようなら」1995年土曜美術社出版販売・21世紀詩人叢書25
「愛のうたの絵ほん」1994年同上
「愛(かな)」1993年同上
「海にゆれる」1991年土曜美術社
「死と生の交わり」1988年批評社

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