記事一覧

オウィディウス『変身物語』(五)。みずからの涙で溶け去って。

 ローマの詩人オウィディウス(紀元前43年~紀元17か18年)の『変身物語』に私は二十代の頃とても感動し、好きになりました。 「変身」というモチーフで貫かれた、ギリシア・ローマ神話の集大成、神話の星たちが織りなす天の川のようです。輝いている美しい星、わたしの好きな神話を見つめ、わたしの詩想を記していきます。 今回は「カウノスとビュブリス」の涙の瞬きです。 妹として生まれたビュブリスは、兄のカウノスと親し...

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詩人・杉野紳江さん。詩を伝える思い。

 詩人の杉野紳江さんがブログ「のんちゃんの杉野書店日記」で、詩誌「たぶのき 8号」に発表した私の新しい作品を紹介してくださり、感想のお言葉を添えてくださいました。とても嬉しく思います。  「たぶの木 8号」 のんちゃんの杉野書店日記 杉野さんは今年7月に第二詩集『陽気ぐらしのタンポポ』(土曜美術社出版販売)を、2009年の年の第一詩集『虚空にもどる父』(同)に続き、出版されました。 初めての詩集は亡くな...

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オウィディウス『変身物語』(四)。変身、変容、生まれ変わり。

 ローマの詩人オウィディウス(紀元前43年~紀元17か18年)の『変身物語』に私は二十代の頃とても感動し、好きになりました。 「変身」というモチーフで貫かれた、ギリシア・ローマ神話の集大成、神話の星たちが織りなす天の川のようです。輝いている美しい星、わたしの好きな神話を見つめ、わたしの詩想を記していきます。 今回は「メレアグロスの姉妹たち」の悲痛な瞬きです。 メレアグロスは諍いで叔父を殺害します。メレア...

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オウィディウス『変身物語』(三)。純愛と死の物語

 ローマの詩人オウィディウス(紀元前43年~紀元17か18年)の『変身物語』に私は二十代の頃とても感動し、好きになりました。「変身」というモチーフで貫かれた、ギリシア・ローマ神話の集大成、神話の星たちが織りなす天の川のようです。 輝いている美しい星、わたしの好きな神話を見つめ、わたしの詩想を記していきます。 今回はピュラモスとティスベの純愛の瞬きです。 オウィディウスの『変身物語』のこの一節は、シェイク...

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オウィディウス『変身物語』(二)。愛の悲しみのエコー

 ローマの詩人オウィディウス(紀元前43年~紀元17か18年)の『変身物語』に私は二十代の頃とても感動し、好きになりました。 「変身」というモチーフで貫かれた、ギリシア・ローマ神話の集大成、神話の星たちが織りなす天の川のようです。 輝いている美しい星、わたしの好きな神話を見つめ、わたしの詩想を記していきます。 今回はナルキッソスとエコーの切ない瞬きです。 ナルキッソス、ギリシア読みではナルシス、自己愛の...

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愛の詩(二)。山下佳恵の新詩集『海の熟語』から。

 私は、詩は愛、だと思います。けれどいま、詩集は毎日出版されても、愛の詩に出会い、こころゆれ、感動することが少ないことを、さびしく、悲しく思っています。 私も参加している小さな詩誌『たぶの木』に作品を寄せられているお二人の詩人、田川紀久雄と山下佳恵がこの秋、新詩集を出版しました。 田川紀久雄詩集『寄り添う』、山下佳恵詩集『海の熟語』です。それぞれの個性が、豊かな表情で自由にのびやかに詩の花となって...

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愛の詩(一)。田川紀久雄の新詩集『寄り添う』から。

 私は、詩は愛、だと思います。けれどいま、詩集は毎日出版されても、愛の詩に出会い、こころゆれ、感動することが少ないことを、さびしく、悲しく思っています。 私も参加している小さな詩誌『たぶの木』に作品を寄せられているお二人の詩人、田川紀久雄と山下佳恵がこの秋、新詩集を出版しました。 田川紀久雄詩集『寄り添う』、山下佳恵詩集『海の熟語』です。それぞれの個性が、豊かな表情で自由にのびやかに詩の花となって...

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オウィディウス『変身物語』(一)。作品は完成した。

 ローマの詩人オウィディウス(紀元前43年~紀元17か18年)の長編詩『変身物語』に私は二十代の頃とても感動し好きになりました。 今回からの数回は、この作品を読み返して、とりあげてみたいと感じた箇所を紹介しつつ、私の詩想を記していきます。  初めに訳者・中村善也の解説にある、この著作と、書かれた状況を要約します。 オウィディウスは紀元8年、50歳過ぎに、アウグストゥス皇帝によってローマを追われ、黒海西岸の...

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創造する意思。ミケランジェロの、美。

 今回は、上野の国立西洋美術館での「システィーナ礼拝堂500年祭記念 ミケランジェロ展―天才の軌跡」で感じとれた想いを記します。 美術館の入り口前庭にある、ダンテの『神曲』に喚起されたロダンの彫刻「地獄門」、人物を拡大した「考える人」に再会して、嬉しく思いつつミケランジェロ展に入りました。 ルネサンスを代表する芸術家ミケランジェロ・ブオナローティ(1475-1564)が生きていたのは500年ほどまえ、それほど遠い...

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ヘルダーリン『ヒュペーリオン』(六)。ひとつの永遠の灼熱する生(いのち)

 敬愛するドイツの詩人ヘルダーリン(1770年~1843年)の長編作品『ヒュペーリオン』を見つめています。 私は二十代で彼の作品にとても感動し、その変わらぬ想いを深め伝えたいとこの文章を書いています。 作品の大きな流れのまとまりからテーマを掬い上げ、作品の言葉の飛沫のきらめきと、呼び覚まされた私の詩想を記してきました。 最終回の主題は、生(いのち)です。 ヘルダーリンは『ヒュペーリオン』の最後に、彼の死生...

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新しい詩「ひなの星」をHP公開しました。

 私の詩のホームページ「愛のうたの絵ほん」に、新しい詩「ひなの星」を、公開しました。 (クリックでお読み頂けます)。  詩「ひなの星」    ・かえで     ・ほたる     ・虹     ・ひなの星  四つの詩の星の星座です。お読みくだされば、とても嬉しく思います。 ☆ 次回のブログ「愛(かな)しい詩歌」は11月12日19時の公開になります。...

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ヘルダーリン『ヒュペーリオン』(五)。何千年も星の世界を。

 敬愛するドイツの詩人ヘルダーリン(1770年~1843年)の長編作品『ヒュペーリオン』を見つめています。 私は二十代で彼の作品にとても感動し、その変わらぬ想いを深め伝えたいとこの文章を書いています。 作品の大きな流れのまとまりからテーマを掬い上げ、作品の言葉の飛沫のきらめきと、呼び覚まされた私の詩想を記しています。 今回の主題は、絶望です。 祖国の自由独立を願い戦闘に加わった主人公ヒュペーリオンは、戦争...

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ヘルダーリン『ヒュペーリオン』(四)。暴力に訴えて。

 敬愛するドイツの詩人ヘルダーリン(1770年~1843年)の長編作品『ヒュペーリオン』を見つめています。 私は二十代で彼の作品にとても感動し、その変わらぬ想いを深め伝えたいとこの文章を書いています。 作品の大きな流れのまとまりからテーマを掬い上げ、作品の言葉の飛沫のきらめきと、呼び覚まされた私の詩想を記しています。 今回の主題は、暴力です。 主人公の男性ヒュペーリオンは、友からの誘いに応じます。トルコの...

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ヘルダーリン『ヒュペーリオン』(三)。いまはじめて世界を。

 敬愛するドイツの詩人ヘルダーリン(1770年~1843年)の長編作品『ヒュペーリオン』を見つめています。 私は二十代で彼の作品にとても感動し、その変わらぬ想いを深め伝えたいとこの文章を書いています。 作品の大きな流れのまとまりからテーマを掬い上げ、作品の言葉の飛沫のきらめきと、呼び覚まされた私の詩想を記しています。 今回の主題は、愛です。  愛の告白は、心を打ち心に響きます。なぜでしょうか? ひとりの人...

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ヘルダーリン『ヒュペーリオン』(二)運命の出会い

 敬愛するドイツの詩人ヘルダーリン(1770年~1843年)の長編作品『ヒュペーリオン』を見つめています。 私は二十代で彼の作品にとても感動し、その変わらぬ想いを深め伝えたいとこの文章を書いています。 今回からは、作品の大きな流れのまとまりからテーマを掬い上げ、作品の言葉の飛沫のきらめきと、呼び覚まされた私の詩想を記していきます。 今回の主題は、運命的な出会いです。 「ぼく」は、主人公の男性の名はヒュペー...

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プロフィール

高畑耕治

Author:高畑耕治
Profile:たかばたけ こうじ
1963年生まれ大阪・四條畷出身 早大中退 東京・多摩在住

詩集
「銀河、ふりしきる」
2016年イーフェニックス
「こころうた こころ絵ほん」2012年同上
「さようなら」1995年土曜美術社出版販売・21世紀詩人叢書25
「愛のうたの絵ほん」1994年同上
「愛(かな)」1993年同上
「海にゆれる」1991年土曜美術社
「死と生の交わり」1988年批評社

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