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万葉集の好きな歌 (巻五) 山上憶良 飛び立ちかねつ

万葉集巻第五、山上憶良

世の中をうしとやさしとおもへども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば

(訳)
この世の中、こんな所はいやな所、身も細るような所と思う次第でありますが、捨ててどこかへ飛び去るわけにもゆきません。私ども人間は、しょせん鳥ではありませんので。
(角川ソフィア文庫、伊藤博)


万葉集巻第五、山上憶良

すべもなく苦しくあれば出(い)で走り去(い)ななと思へどこらに障(さや)りぬ

(訳)
なすすべもなく苦しくてたまらないので、この世を逃げ出してどこかへ行ってしまいたいと思うけれども、騒ぎ回るこのめんこいやつらに妨げられてしまう。
(角川ソフィア文庫、伊藤博訳)

和歌には「憂し」という言葉がこのあと時代を超えて現在まで絶えず、川の海の波のように揺れ浮かびつづけています。
文学は、人間の、憂愁の、調べなのだと共鳴するばかりです。

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プロフィール

高畑耕治

Author:高畑耕治
Profile:たかばたけ こうじ
1963年生まれ大阪・四條畷出身 早大中退 東京・多摩在住

詩集
「銀河、ふりしきる」
2016年イーフェニックス
「こころうた こころ絵ほん」2012年同
「さようなら」1995年土曜美術社出版販売・21世紀詩人叢書25
「愛のうたの絵ほん」1994年同
「愛(かな)」1993年同
「海にゆれる」1991年土曜美術社
「死と生の交わり」1988年批評社

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