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万葉集の好きな歌 (巻第十三) 作者未詳 長歌(一)

万葉集巻第十三3223 作者未詳 長歌 (後半)

みづ枝さす 秋の黄葉(もみぢば) まき持てる 小鈴もゆらに たわや女(め)に われはあれども 引きよぢて 峯もとををに ふさ手(た)折り われは持ちてゆく 君がかざしに

(大意)
枝いっぱいの秋のモミジを、手に巻いた小さな鈴もゆらと鳴らしてわたしはか弱い女だけれどモミジいっぱいの枝を折りとり持ってゆきます。あなたの髪飾りにしたくて。

反歌 3224

ひとりのみ見れば恋染(こいし)み 神(かむ)なびの山の黄葉(もみぢば)手折り来り君

(ひとりきりで見ていると見せたくてしかたなくてモミジを持ってきました、あなたに)

「小鈴もゆらに」という詩句から鈴の音が揺れて鳴るよう
「恋染み」という詩句もやさしく、モミジのように愛する想いに照り映えた、女性の姿がとても美しいうたです。

万葉集 巻第十三は、長歌 (と反歌)。
わたしがいま書く詩はこの表現の流れのなか鈴の音を「ゆら」と鳴らしていると思っています。

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プロフィール

高畑耕治

Author:高畑耕治
Profile:たかばたけ こうじ
1963年生まれ大阪・四條畷出身 早大中退 東京・多摩在住

詩集
「銀河、ふりしきる」
2016年イーフェニックス
「こころうた こころ絵ほん」2012年同
「さようなら」1995年土曜美術社出版販売・21世紀詩人叢書25
「愛のうたの絵ほん」1994年同
「愛(かな)」1993年同
「海にゆれる」1991年土曜美術社
「死と生の交わり」1988年批評社

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