記事一覧

三ヶ島葭子の短歌。悲しみ、苦しみ、夭逝。歌。

 ここ百年ほどの時間に歌われた詩歌から、短歌の形で咲いた心の花をみつめています。今回の歌人は三ヶ島葭子(みかじま・よしこ、1886年・明治19年埼玉県生まれ、1927年・昭和2年没)です。 生年没年からわかるように彼女は40歳でなくなりました。内面を自己凝視し、あふれるものを真率に吐露する、まっすぐな歌風なので、家庭内の不和からの苦しみと悲しみが、言葉に滲んでいます。  彼女の歌に感じるのは、鋭敏な感受性が本...

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窪田空穂の短歌。『平家物語』の俊成に似て。

 ここ百年ほどの時間に歌われた詩歌から、短歌の形で咲いた心の花をみつめています。今回の歌人は窪田空穂(くぼた・うつぼ、1877年・明治10年長野県松本生まれ、1967年・昭和42年没)です。 私は最近2冊の短歌選集を併読しましたが、今回は『現代の短歌 100人の名歌集』(篠弘編著、2003年、三省堂)からです。ここ数回主に出典とした『現代の短歌』(高野公彦編、1991年、講談社学術文庫)も、彼の作品を収録していて先に読み...

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上田三四二の短歌(五)あふれでる詩想の泉。

 ここ約百年に生まれた短歌を見つめています。『現代の短歌』で出会えた、私なりに強く感じるものがあり何かしら伝えたいと願う歌人の、特に好きな歌です。 前回に続き、上田三四二(うえだ・みよじ、1923年・大正12年、兵庫県生まれ)の短歌をとおして、日本語の言葉の音楽、歌に耳を澄ませます。最終回も音楽性ゆたかな歌五首です。それぞれの歌に感じたことを記していきます。短歌の前に、所収の歌集名、刊行年と彼の年齢を記し...

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上田三四二の短歌(四)。山の稜線のような乳房のまるみのような。

 ここ約百年に生まれた短歌を見つめています。『現代の短歌』で出会えた、私なりに強く感じるものがあり何かしら伝えたいと願う歌人の、特に好きな歌です。 前回に続き、上田三四二(うえだ・みよじ、1923年・大正12年、兵庫県生まれ)の短歌をとおして、日本語の言葉の音楽、歌に耳を澄ませます。 今回は音楽性ゆたかな歌五首です。それぞれの歌に感じたことを記していきます。短歌の前に、所収の歌集名、刊行年と彼の年齢を記し...

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新しい詩「かなしみまみれの、なんでやねん」をHP公開しました。

 私の詩のホームページ「愛のうたの絵ほん」に、新しい詩「かなしみまみれの、なんでやねん」を、公開しました (クリックでお読み頂けます)。   詩「かなしみまみれの、なんでやねん」 お読みくださると、とても嬉しく思います。...

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上田三四二の短歌(三)意味とイメージと音色とリズムは溶けて。

ここ約百年に生まれた短歌を見つめています。『現代の短歌』で出会えた、私なりに強く感じるものがあり何かしら伝えたいと願う歌人の、特に好きな歌です。 前回に続き、上田三四二(うえだ・みよじ、1923年・大正12年、兵庫県生まれ)の短歌をとおして、日本語の言葉の音楽、歌に耳を澄ませます。 今回は音楽性ゆたかな歌五首です。それぞれの歌に感じたことを記していきます。短歌の前に、所収の歌集名、刊行年と彼の年齢を記して...

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上田三四二の短歌(二)散文化した時代と、歌。

 ここ約百年に生まれた短歌を見つめています。『現代の短歌』で出会えた、私なりに強く感じるものがあり何かしら伝えたいと願う歌人の、特に好きな歌です。 前回に続き、上田三四二(うえだ・みよじ、1923年・大正12年、兵庫県生まれ)の短歌を見つめます。 この散文化した時代に多くの人は、合理性と効率性と実用性と有益性の盲目的な追求を進歩の旗印にかなう最善の選択だとして掲げる競争社会に投げ込まれ、知性と機智と狡知を...

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上田三四二の短歌(一)。一日一日はいづみ。

 ここ約百年に生まれた短歌を見つめています。『現代の短歌』で出会えた、私なりに強く感じるものがあり何かしら伝えたいと願う歌人の、特に好きな歌です。 今回から数回、上田三四二(うえだ・みよじ、1923年・大正12年、兵庫県生まれ)の短歌です。 私は彼の短歌を今回初めて読むことができましたが、出典の本を通読して、短歌としての言葉の音楽性、調べをいちばん感じました。このことについては次回以降に詳しく書きます。 ...

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詩誌『たぶの木』4号をHP公開しました。

 手作りの詩誌『たぶの木』4号を、私のホームページ『愛のうたの絵ほん』に公開しました。     詩誌 『たぶの木』 4号 (漉林書房) 漉林書房の詩人・田川紀久雄さん編集・発行の小さな詩誌です。 私は作品を活字にでき読めて、とても嬉しく思います。 参加詩人は、田川紀久雄、坂井のぶこ、山下佳恵、高畑耕治です。 ぜひご覧ください。 ☆ お知らせ ☆『詩集 こころうた こころ絵ほん』を2012年3月11日、イーフェニ...

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渡邉裕美詩画集『 あの人への想いに綴るうた』が発売されました。

 画家の渡邉裕美さんが詩画集『あの人への想いに綴るうた』を2月1日イーフェニックスから発売されました。渡邉さんのブログでの発売案内はこちらです。          あの人への想いに綴るうた  こころ温まり、想いがひろがってゆく絵と言葉を、ぜひご覧ください。 渡邉さんは私の詩集『こころうた こころ絵ほん』のカバー、表紙、目次扉いちめんに、作品の内容にこだまする優しい絵を咲かせてくださいました。その美しい...

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新しい詩「愛(かな)しみの銀河」をHP公開しました。

 私の詩のホームページ「愛のうたの絵ほん」に、新しい詩「愛(かな)しみの銀河」を、公開しました (クリックでお読み頂けます)。   詩「愛(かな)しみの銀河」 お読みくださると、とても嬉しく思います。...

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吉野秀雄の短歌。言葉の涙こぼれて。

 今回からの数回はここ約百年の時間に生き歌った歌人の短歌を見つめてみます。 私自身は狭義の短歌の形式での創作はしていませんが、和歌、短歌が好きですし、源流をおなじくする広義の詩歌の歌人と意識しています。柿本人麻呂や山上憶良や和泉式部、紫式部、式子内親王らも連なる歌人の末裔です。私の詩は、短歌の破調です。  短歌の一読者として、歌人・道浦母都子の『百年の恋』(小学館、2003年)、『女歌の百年』(岩波新書...

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『宮城松隆追悼集 薄明の中で』を紹介しました。

 ホームページの「好きな詩・伝えたい花」で『宮城松隆追悼集 薄明の中で』を紹介しました。 宮城松隆追悼集発行委員会(代表・平敷武蕉)から2013年1月31日発行されました。内容は、宮城松隆作品集(詩とエッセイ・評論)と年譜、追悼詩、エッセイ・評論です。 私も追悼エッセイ「文化を、詩を育む詩人・宮城松隆」を寄せています。(ブログ「文化を詩を育むということ(二)。詩人・宮城松隆」をもとにより詳細に書きたしたも...

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ミュージカルと詩歌。虚構を極め真実へ。レ・ミゼラブル

 前回に続き、ミュージカル映画の『レ・ミゼラブル』と原作者のユゴーについての詩想です。 私は映画が好きで青年期にはかなりの作品を観ましたが、特にミュージカル、ミュージカル映画は子どもの頃からずっと好きです。『サウンド・オブ・ミュージック』、『屋根の上のヴァイオリン弾き』、『ジーザス・クライスト・スーパースター』は今も心深く宿っています。 『レ・ミゼラブル』は二回観ましたが、涙流れ心洗われます。観終...

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ユゴーの詩。一人のいのちを感じる眼。レ・ミゼラブル。

 久しぶりに映画をゆっくり観ました。ミュージカル映画の『レ・ミゼラブル』です。ユマニスム、ヒューマニズム、人間をみつめるまなざしからあふれだす詩心と感動の物語に、とても心打たれます。原作者のユゴーは19世紀フランスの文豪ですが、あらためて底力のある詩人、作家だと感じました。 まず今回は『レ・ミゼラブル』と共鳴していると感じるユゴーの詩を一篇見つめます。 私はこの詩に、ユゴーが人間と生活と社会と世界を...

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私の「破調」。破れて裂けて砕けて。

 前回は、若山牧水の歌集を通して、短歌とその「破調」について考えました。今回はこのことをもう少し私自身と私の創作、作品に引きつけ突っ込んで考え、詩想を記してみます。 牧水の「破調」の歌を読んで私は、短歌は「破調」して自由詩を生み、自由詩は「破調」してアフォリズムを生むのだと思いました。 これはどの詩形が優れているという比較ではありません。詩人はそのときその形でしか生めない、作品はそのときそのかたち...

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プロフィール

高畑耕治

Author:高畑耕治
Profile:たかばたけ こうじ
1963年生まれ大阪・四條畷出身 早大中退 東京・多摩在住

詩集
「銀河、ふりしきる」
2016年イーフェニックス
「こころうた こころ絵ほん」2012年同上
「さようなら」1995年土曜美術社出版販売・21世紀詩人叢書25
「愛のうたの絵ほん」1994年同上
「愛(かな)」1993年同上
「海にゆれる」1991年土曜美術社
「死と生の交わり」1988年批評社

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