記事一覧

愛しい詩歌 正岡子規の歌、海の歌

 正岡子規の『歌よみに与ふる書』について思うことを記そうとしています。順序が逆になりましたが、まず子規自らの歌を読み返して私が好きだと感じた歌を記します。 私が若い頃に暗誦した数少ない歌のひとつが星の「真砂なす」の歌です。たぶん芥川龍之介の『侏儒(しゅじゅ)の言葉』の引用で知り、好きになったのだと思います。私自身は長い行の詩ばかり書いてきましたが、暗誦できる短さであることが短歌の良さ、魅力のひとつだ...

続きを読む

新しい詩「生まれた日から」

 新しい詩作品「生まれた日から」が「詩と思想」20011年4月号に掲載されます。ホームページの『虹:新しい詩』にも20011年4月頃公開する予定です。...

続きを読む

歌論と詩歌

 これまで詩の調べと言葉について私の思いを記してきましたが、これから数回にわたっては、私が共感し励まされ尊敬する、心に残る先人の詩歌についての言葉を書き留めたいと思います。 今回は、歌という芸術に人生のすべてをかけた親子、藤原俊成と藤原定家の歌論の核心の言葉です。 出典は、『日本詩歌選 改訂版』(古典和歌研究会編、新典社)と、、『やまとうた』(水垣久,ホームページ)です。『やまとうた』はパソコンで読...

続きを読む

自殺を思うひとに

 この国では数年来の統計発表で、自殺者が毎年3万人を越え毎日90人近い方が死を選びなくなっていると公表されています。そうするしかなかったひとりひとりの苦しみと痛みが何も伝わらない数字だけが読み上げられることを悲しく思ってきました。同時に、毎日苦しい思いを抱きかかえ苦しみのうちに死を選ぶ方の思いが今あることに対して、何も伝えられない自分を悔しく感じます。 今も自殺を思う方がいらっしゃると思います。私も...

続きを読む

詩人・宮城松隆さんの詩「沖縄戦と看守S / 避難 /グルクンの目」 を紹介します

ホームページの「好きな詩・伝えたい花」で、詩人・宮城松隆さんの詩「沖縄戦と看守S / 避難 /グルクンの目」 を紹介しました。  宮城さんは、生きることの悲しみを、悲しみの渦中の魂と共にあって、詩にされます。沖縄戦で無念のうちに亡くなった人、病に苦しむ人、弱者として掻き消されそうな声の震えを決して押し殺させまいとの強い思いは詩でしか伝えられない、伝えたい詩そのものです。...

続きを読む

防人歌(さきもりのうた) 万葉集

 万葉集の東歌のうたのなかで防人歌(さきものりうた)は、すべてが作者未詳歌ではありませんが、ほとんど無名の個人の思いの歌、切実な思いの悲しい歌です。 巻第十四の東歌のなかにその一部があり、大部分は巻第二十に集められています。「愛(かな)しい詩歌」に巻第二十の好きな防人歌を咲かせました。 防人歌は、中央国家に徴兵され九州に派兵された東国の人々の歌です。 二度と会うことができないかもしれない、死に別れとな...

続きを読む

愛しい詩歌 万葉集・防人歌(さきもりのうた)

「万葉集 巻第二十の防人歌(さきもりのうた)」より好きな歌を十二首選びました。*出典『新版 万葉集四 現代語訳付き』』(訳注:伊藤博、角川ソフィア文庫)、*国歌大観番号を付します。*出典の原文を記し、続けて( )内にひらがなで記します。*防人歌は方言訛りの読みが独特なため[ ]内に訳も記します。 訳者の本意を損なわない範囲で訳文は変えた箇所があります。 防人歌に感じ思うことは、「詩に想う」で別に記します。...

続きを読む

詩人・細野幸子さんの詩「プリズム / 単純作業 / ゆきだるま」を紹介します

 ホームページの「好きな詩・伝えたい花」で、詩人・細野幸子さんの詩「プリズム / 単純作業 / ゆきだるま」を紹介しました。  細野さんは、極北の星のひかりのような、あわゆきのような、本当の詩人です。紡ぎだされる詩はピアノの美しい旋律となって耳たぶをくすぐり心をふるわせ彼方へ誘ってくれます。しゃぼんだまのように、虹のように哀しく、永遠を瞬間に浮かべ、響いてゆきます。...

続きを読む

詩と詩集についての覚え書

 今回は、詩人の吉川千穂さんの第一詩集『再生』を読ませて頂いたことで感じ考えた、詩と詩集についての思いを見つめ直し記しました。☆詩の批評  詩の一番の理解者、良いところも不完全なところも感じているのは書いた詩人です。どのような批評を受けようが、ほめまくられようが、無視されようが、自分がこのかたちがいい、この詩はいい、と感じとれたら、それは必ずいい詩だし、生み出した詩人が守りぬくものと思っています。...

続きを読む

詩人・山下佳恵さんの詩集・ホームページ『あなたへ』を紹介します

 「好きな詩・伝えたい花」でご紹介した詩人・山下佳恵さんの詩集・ホームページ『あなたへ』を、ホームページの「詩人の世界へ」にリンクしました。  詩誌『潮流詩派』とアンソロジー集発表の全詩作品を、愛・いのち・生きもの・社会・永遠・物語などの優しく豊かなテーマで8章に新しく編んだ詩集・ホームページです。新しい詩作品も公開されます。...

続きを読む

愛(かな)しい詩歌 万葉集 東歌・防人歌 

「万葉集 巻第十四の東歌(あづまうた)」より好きな歌を四首選びました。*出典『新版 万葉集三 現代語訳付き』』(訳注:伊藤博、角川ソフィア文庫)、*国歌大観番号を付します。*出典の原文を記し、続けて( )内にひらがなで記します。東歌(あづまうた)三三七二 相模道の余綾の浜の真砂なす子らは愛しく思はるるかも(さがむぢのよろぎのはまのまなごなすこらはかなしくおもはるるかも)三三七三 多摩川にさらす手作りさらさ...

続きを読む

東歌(あづまうた)、万葉集

 万葉集の作者未詳の歌のなかで、私が好きな東歌(あづまうた)について記します。巻第十四のこれらの歌は、東の国々の地名が多く詠まれていて、当時の方言・訛りも多く、独特のしらべに揺れ動きます。 性愛のストレートな表現も特徴ですが、それは逆にこれらの歌が、民謡に近いもの、歌垣などでの女と男の言葉のかけあいから生まれたもの、あの時代にいた人たちの共有の謡いもの、歌謡曲だったからだと言われていて、私もそのよう...

続きを読む

愛(かな)しい詩歌 万葉集・正述心緒・相聞歌

「万葉集 巻十一、巻十二 正述心緒 相聞歌」より好きな歌を二十首選びました。*出典『万葉集歌人集成』(著者:中西進、辰巳正明、日吉盛幸、講談社)。*国歌大観番号を付します。*出典の原文を記し、続けて( )内にひらがなで記します。巻十一 二三八一 君が目を見まく欲りしてこの二夜千歳の如く吾は恋ふるかも(きみがめをみまくほりしてこのふたよちとせのごとくわはこふるかも)二三八二 うち日さす宮路を人は満ち行...

続きを読む

相聞歌、ただに思いを述べたる

 万葉集の作者未詳の歌たち、名を残さなかった人たちの、私が好きなもうひとつの詩歌、正述心緒の相聞歌についての思いを記します。 万葉集巻十一・巻十二には、作者未詳の「ただに思いを述べたる(正述心緒)」が編み込まれていて、その多くが相聞歌です。 ただに思いを述べたる、この言葉そのままの、生きている思いの揺れ動きをそのまま言葉に込めたはだかの歌です。感情の体温、なまの暖かさ、熱さ、凍える寒さをもつ、感動...

続きを読む

愛(かな)しい詩歌「万葉集 巻十三 長歌 反歌」

「万葉集 巻十三 長歌 反歌」 (国歌大観番号:長歌・三二四三、反歌・三二四四)。  出典『万葉集歌人集成』(著者:中西進、辰巳正明、日吉盛幸、講談社)。*出典の原文を記し、続けて( )内にひらがなで記します。 少女等が 麻笥に垂れたる 績麻なす 長門の浦に  朝なぎに 満ち来る潮の 夕なぎに 寄せ来る波の  その潮の いやますますに その波の いやしくしくに  吾妹子に 恋ひつつ来れば 阿胡の海の ...

続きを読む

愛(かな)しい詩歌

 このブログの「詩を想う」では、詩について自分に言い聞かせ思い留めたいこと、詩を書くうえで、感じ取るうえで私が大切だと考えてきたこと、考えていることを書き記しています。私自身、学びなおし少しずつ思い出し考えています。そうするなかで、これまで感動し本当に良いと感じた詩歌については、いくら心を込めて評しても、その詩歌そのものに触れることで感じうる感動には届かないことに気づきました。 そのような特別の思...

続きを読む

詩のしらべ、万葉集

 私は詩歌が好きです。詩歌という豊かなひろがりのある言葉が好きです。日本語での詩のしらべを思うとき、美しい響きの源流近くに、万葉集がささめいています。  心が疲れ干し上がって、音をききとる力が弱まり、言葉が歌を見失ってしまったとき、私は二つのことで詩歌を思い起こそうとします。ひとつは、自分自身の作品を読み返すことです。詩作の際には繰り返し読み返すことで作品全体を暗誦できるようになりますが、次第に記...

続きを読む

最新記事

プロフィール

高畑耕治

Author:高畑耕治
Profile:たかばたけ こうじ
1963年生まれ大阪・四條畷出身 早大中退 東京・多摩在住

詩集
「銀河、ふりしきる」
2016年イーフェニックス
「こころうた こころ絵ほん」2012年同上
「さようなら」1995年土曜美術社出版販売・21世紀詩人叢書25
「愛のうたの絵ほん」1994年同上
「愛(かな)」1993年同上
「海にゆれる」1991年土曜美術社
「死と生の交わり」1988年批評社

検索フォーム